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医学部のオンライン講座はイノベーションか

2013/12/26

 ある医学生が11月に、医学部新設時の講師確保策としてオンライン講座の活用を提案する記事(「医学部の新設 オンライン講座活用しては」※要ログイン)を、朝日新聞「私の視点」に投稿していました。今回はこの提案について、普段の医学部生活を踏まえて考えてみたいと思います。

 医学部で教育を受けていて、「コレって教室でやる意味あるのかな…」と感じる講義に当たった経験はあります。そう感じる理由を考えると、先生のやる気がない(ノルマとしての教育)、教科書を読み上げているだけ(忙しくて準備する時間ないですよね)、最先端すぎる話をされている(学生はついていけません…)、といったところでしょうか。

 当然、この講義楽しいなぁ…と思うこともあります。それは、その先生自身が講義を楽しんでいる時に多い気がします(もちろん、学生の目線に立った講義で)。ときどき、教育のために生まれてきたかのごとき、奇跡のような先生と出会うことがあります。そんな先生の講義は、どれだけ大変でも寝る人は少なく、出席率も高くて、講義後には「○○先生、さすがだね」なんてやりとりが聞かれます。

 こんな先生ばかりなら、学校に行くのが楽しくなるんだけどなぁ…と思うのが正直なところです。

オンライン講座の魅力と懸念
 そんなステキな先生方の講義が、どこでも誰でも受けられるようになるのはオンライン講座の強みでしょう。オンライン講座は動画を見るだけでなく、課題を提出したり試験を受けたりできる双方向性が特徴なので、十分授業として使える手段だと思います。講義が分かりやすく、有名な教科書を書いている先生や、話題の治療法を開発した先生の話など、聞いてみたい話はたくさんあります。

 一方で、オンライン講座を導入した際の問題点は、動画の講座では、講師が持つ熱量をそのまま伝えることが難しいという点だと思います。

 以前、大学の講義をそのまま録画したビデオを見たことがあります。結果は…すごく眠くなりました。それはやはり、講師の熱量が伝わりにくかったのも一因だったように思います。あらかじめ、ビデオで録画されることが前提となっている講義であれば、スタイルの改善など工夫がされるかもしれません。でもやはり、アーティストのライブDVDと一緒で、その場で感じるのには敵わないかな、という気がします。

著者プロフィール

医師のキャリアパスを考える医学生の会●医学生が自らのキャリアについて学び、考え、発信していくことを目的として発足したネットワーク。20人ほどのスタッフが、見学ツアーなどのイベント企画や、MLによる情報発信を行っている。

連載の紹介

心に刺さったニュース
「医師のキャリアパスを考える医学生の会」の運営スタッフによるリレーコラム。Uovo一人ひとりが、「心に刺さった」記事をネットからひろいあげ、なぜ刺さったのか、どう感じたのかを語ります。文末の()内は筆者のペンネームです。

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