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日本の医療イノベーションに立ちはだかるものは?
北米のイノベーションはどう支援されるのか

2014/07/08
古川由己(medizine)

 前回、医療において人間中心イノベーションが貢献できる可能性とその事例についてまとめました。医療の抱える課題が全てこれで解決できるというようなものではありませんが、医療の質の向上の一助になりうることを感じていただけたと思います。

 それでは、医療における人間中心イノベーションの取り組みには何が必要になってくるのでしょうか。鍵として、医療従事者とその他のプロフェッショナルとの協働の場を作るというものがあります。医療現場では既に多職種連携が行われていますが、それでも医療系の職種に限られている場合がほとんどです。医学的視点からの検討や、医療現場の観察や関係者へのインタビューやその後の普及を考えると、医療従事者の参画は欠かせません。しかし、新しい視点からアイデアを出したり、実際にプロダクトやサービスを作るときには、医療従事者以外の力が必要となります。

 これを踏まえると、医療従事者とその他のプロフェッショナルが、いかに医療健康分野の課題に一緒に取り組む機会を増やすか、というのが、医療における人間中心イノベーションを増やしていく上で大きな課題となりそうです。

 そこで、2014年3月の北米視察を踏まえ、そのような機会の作り方を3つまとめました。

(1)ハッカソン
 ハッカソンとは、HackMarathonを掛けあわせてできた造語で、短期間(数時間~1週間程度。1週末の形式が最もポピュラー)でアイデアを出すところから、チームを作りそのアイデアを必要最低限の形に仕上げるところまで行うイベントです。ハックというとハッキングなど、違法的なことを連想する方もいらっしゃると思いますが、ここではそういう意味ではなく、賢く解決するという意味です。元々はIT系の企業内で始まった手法です。有名どころでいうと、Facebookの「いいね!」ボタンは、ハッカソンで生まれたものだそうです。今では、日本でも自動車会社やテレビ会社、さらには公共サービス系の会社でもハッカソンが開催されており、IT系の企業にとどまることなく広がっています。

 アメリカでは、医療健康をテーマとしたハッカソンが多数開催されています。例えば、ボストンではハーバード系列病院が協力して、医療従事者と他のプロフェッショナルがチームを作って問題解決に取り組むハッカソンが継続的に開催されています。今回視察したハッカソンは、過去最大規模という450人が参加していました。医師はもとより、ハーバード大学教授も一般参加者としてアイデアを出していたのが衝撃的でした。

著者プロフィール

Cadetto.jpにレポートをお送りいただいた全国の若手医師や医学生たち。経験を発信したい皆さまからの寄稿をお待ちしております。

連載の紹介

体験リポート
若手医師や医学生たちによる体験リポート。病院見学や各種のワークショップ、勉強会などへの参加や、自らの取り組みを通じて得た経験を、全国の医師、医学生に向けて報告します。

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