Cadetto.jpのロゴ画像

被災地の研修病院ってどんなところ!?
南相馬市立総合病院を見学して

2014/05/30
東京大学医学部6年 齋藤宏章

 今年の2月末、私は福島県を訪れ、南相馬市立総合病院を見学した。今回は、福島の医療の今と、被災地で研修することの意義について、見聞きしてきたことをお伝えしたいと思う。

●原発から23kmの病院
 2月24日、東京駅から新幹線とバスを乗り継ぐこと5時間弱、私は福島県南相馬市の地に降り立った。南相馬市は、福島第一原発の立地する双葉郡の北側に接する市である。東日本大震災後、報道を通じてこの地名を聞いたことのある方もいるかと思う。震災時には最大震度6弱の地震に見舞われ、海岸線に近い地域は津波に飲み込まれた。

 震災から約3年が経過した訪問時でも、市内には仮設住宅が並んでおり、海岸部では崩壊した堤防を直す工事が行われていた。また流されたクルーザーや、家の一部がいまだに片付かないままとなり、震災の傷跡は残っていた。

 その一方で、市の中心部にはビジネスホテルも散見される。居酒屋やカフェ、コンビニもあり、一見すると普通の町という印象を受けた。現在の南相馬市には約6万人が住んでいる。

 そんな南相馬市の中核病院としての役割を担っているのが、南相馬市立総合病院である。原発から23kmに位置し、震災当時から最前線で被災地を支えてきた。

●災害時医療とは…?他の病院と連携した研修プログラム
 病院を見学する前に、南相馬市立総合病院の臨床研修のプログラムについて調べてみた。南相馬市立総合病院は2012年から臨床研修病院に指定され、指定後は毎年2人の研修医がマッチしている。福島県立医大附属病院や亀田総合病院で研修を行えることが、研修カリキュラムの特色だ。2年目の4カ月間(小児科、精神科、選択2カ月)は亀田総合病院で研修する。残りの8カ月間は選択制で、南相馬市立総合病院、亀田総合病院、福島県立医大附属病院の診療科から希望に応じて選択できる。また、長崎大、広島大、聖マリアンナ医大、亀田総合病院の地域医療研修プログラム実施病院でもあるという。

 病院のウェブページには「当院は震災、原発事故による被災地にあり、仮設に住む住民の健康管理、放射能汚染に対する内部被曝検診などの災害時医療の研修ができる」と記載されている。具体的にはどのようなことが実践できるのか気になった。

●研修医も病院の外で住民に講話を
 病院を訪れた私は、金澤幸夫病院長から直接お話を聞くことができた。震災後から病院が行ってきた活動や、現在の状況などを知ることができた(写真1)

著者プロフィール

Cadetto.jpにレポートをお送りいただいた全国の若手医師や医学生たち。経験を発信したい皆さまからの寄稿をお待ちしております。

連載の紹介

体験リポート
若手医師や医学生たちによる体験リポート。病院見学や各種のワークショップ、勉強会などへの参加や、自らの取り組みを通じて得た経験を、全国の医師、医学生に向けて報告します。

この記事を読んでいる人におすすめ