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私たちの流儀

【第31回】中島清一(大阪大学大学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座特任教授)
コロナ禍にフルフェイスシールドを医療現場へ無償提供する活動を展開

2020/10/28

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く2020年4月初め、医療現場での個人防護具の圧倒的な不足が露呈してきたのを受けて、大阪大学は現場で実用できるフルフェイスシールドを、要請のあった病院などに無償で提供する緊急プロジェクトを立ち上げ、6月末までに目標にしていた20万個を配り終えた。目を見張るのは、資金や材料の調達、配布にあたり、二段構えで臨んだことだ。まず、フェイスシールドのフレーム部分の3Dデータをウェブ上で無料公開。データをダウンロードした全国の3Dプリンタ愛好者や技術者らが各人でフレームを印刷し、シールド用にしてもらうクリアファイルを添えるなどして、ボランティアで近隣のクリニックなどに届ける地域密着型の運動を展開した。そこから間髪入れず、今度はクラウドファンディングで資金を集め、フレームとシールドをそれぞれ大量生産して、各地の病院へ順次、梱包・発送していった。このプロジェクトの発起人は、同大学大学院医学系研究科次世代内視鏡治療学共同研究講座特任教授で、消化器外科医の中島清一(なかじま・きよかず)医師。これまでの経験を存分に生かし取り組んだ、3か月の活動を振り返ってもらった。 (取材は2020年6月30日に実施)

1965年生まれ。大阪大学医学部医学科卒業。同附属病院第一外科、小児外科などを経て、2001年から2年間、米国に留学(Cornell大学外科研究員、New York-Presbyterian病院低侵襲手術センターインストラクター)。帰国後、大阪労災病院外科医長、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学講師などを務め、12年から現職。専門は消化器外科学、低侵襲外科学、医療機器開発。医学博士。

著者プロフィール

成島香里(なるしま・かおり)上智大学社会福祉学科卒業。山梨日日新聞社、保健同人社を経て、現在は、医療・健康を中心に取材するフリーライター。東京理科大学非常勤講師。 ※本連載は総合メディカル「DtoDコンシェルジュ」からの転載です。

連載の紹介

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時代を見据え、転機をつかんだ先輩医師。その背景にある人柄や思いを浮き彫りにしつつ、若い勤務医や医学生の皆さんへのエールをお伝えします。

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