
全国的に産婦人科医が足りない状況が続くなか、2016年10月、山梨県甲斐市に新しいタイプの産婦人科クリニックが誕生した。「このはな産婦人科」。山梨大学病院産婦人科に勤務していた中村朋子(なかむら・ともこ)医師が独立し開業した。とてもユニークなのは、このはな産婦人科の産科部門。妊婦健診はクリニックが行い、分娩は大学病院で対応する「セミオープンシステム」を採用しているのに加え、甲斐市が始めた「妊娠・出産・子育て期の切れ目のない支援事業(甲斐市版ネウボラ事業)」の一部を担い、産後4か月になるまで、出産した母親と赤ちゃんのサポートもする。柔らかな表情で語る中村氏の言葉の端々から、クリニック運営にかける熱い思いが伝わってくる。