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医療マンガ・ドラマの裏話を教えます!

《第2回》『放課後カルテ』×日生マユ
謎多き学校医が子どもたちを救う

2015/10/08

(c)日生マユ/講談社「BE・LOVE」

 小学校に新しく赴任してきた小児科医、牧野。口が悪く態度も横柄な牧野は、児童だけでなく教師や保護者からも不審の目で見られるばかり。しかし、子どもたちのほんのわずかな異変やサインを見逃さず、大事に至る前に病気を発見し、適切な処置を施していく。
 自らの子ども時代の体験を織り込みながら、学校医という新たな医療マンガのジャンルに切り込むのは新進気鋭の日生マユ氏。悩みを抱える子どもたちに寄り添う牧野の姿に込めた思いを伺いました。

<日生マユ氏のプロフィール>
兵庫県生まれ。大学では幼児教育を専攻。卒業後、出版社、広告制作の仕事に携わる傍らマンガを描き続ける。2011年『空夢に願う』で「BE・LOVE漫画大賞」入選。同年より「BE・LOVE」誌で学校医を題材にした『放課後カルテ』の連載を開始、本格的デビューを果た。

「医療マンガの連載」依頼に、大変なことになったと思いました
 大学では幼児教育を専攻していた関係で、幼稚園へ教育実習に行ったとき、子どもたちと接する中で、教師になることの大変さを身をもって知り、中途半端な気持ちで教師になってはいけないと感じました。いわば教師の道を断念する教育実習になったのですが、子どもたちが一番喜んでくれたのが、私が絵を描いたときでした。

 遊びの中で描いたただの落書きでしたが、大声で喜ぶ様子を見て、人を喜ばせることができる、物作りの仕事をしたいと思うようになりました。そして絵本を作っている会社に就職したのですが、なんと半年で倒産。その後、広告制作の仕事につき、マンガの投稿は細々と続けていました。

 たまたま私の作品を目にした「BE・LOVE」の編集の方から「うちの雑誌に応募してみない?」と声をかけていただいて、描いたのが『空夢に願う』でした。これが運よく、「BE・LOVE漫画大賞」に選ばれたのです。それがきっかけになって、医療マンガを描くことになりました。

 読み切りと思っていたので、最初にお話をいただいたときは軽い気持ちで引き受けました。しかし、話を進めていくうちに連載を想定しているということが分かり、これは大変なことになったと正直思いました。

 主人公となる学校医のキャラクターの大まかなところは決まっていて、医師なのに保健室に常駐するという特異な設定でした。

 第1話はナルコレプシー(過眠症)を題材に選んだのですが、ストーリー作りと並行してお医者さんや教員の方にお話を聞いて、キャラクターを固め、全体のイメージをつかみ、構想を練りました。試行錯誤の上、ネーム(絵コンテ)完成までに3カ月もかかり、とにかく大変だったのを覚えていますが、ここで作品の土台ができました。

 現在はネームがある程度固まったところで、監修を担当してくださっているお医者さんに医学的な部分に間違いがないか見てもらっています。そうやって医療面を練り直しながら、ときにはキャラクターやストーリーを変えてしまうこともあります。行ったり来たりです。医療の説明に関しても、難しい表現は避け、誰が読んでも分かりやすいように言葉を選んで描いています。

著者プロフィール

本連載は総合メディカル「DtoDコンシェルジュ」からの転載です。

連載の紹介

医療マンガ・ドラマの裏話を教えます!
近年、映画やTVドラマの原作として使われ大ヒットにつながることの多い「医療マンガ」。その原作者に、作品の掲げるテーマやマンガ制作にまつわる苦労話やエピソードをうかがいます。

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