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在宅医療のリアル──皮膚悪性腫瘍を併診して

2021/10/13
織田うさこ

 皮膚悪性腫瘍の患者Aさんを、B総合病院の形成外科と往診とで併診することになりました。

 腫瘍は右腕にあり、Aさんは右利きです。

 形成外科の先生からは情報提供書が届いており、Aさんの希望で手術はしないこと、できるだけ長い在宅生活を希望されていることなどが書かれてありました。

 手術しない場合の予後としては長くても数年で、B病院には2カ月に1回、通院する予定とのことでした。

 往診に行くたびに、腫瘍は少しずつ大きくなっていきました。出血や浸出液を抑えられるような外用薬を使っていましたが、表面は自壊し、大量の浸出液が出るため、いつもガーゼが上層まで汚染されていました。

 往診に行き始めて数カ月たったころ、ふと、Aさんが私に言いました。

「先生、なかなか良くならないですねぇ」

著者プロフィール

織田うさこ(皮膚科医・内科医)●市中病院での初期研修修了後、皮膚科医として勤務していたが、必要に迫られて、内科も勉強しながら従事している。家庭医として地域医療に貢献。何事にも必死になりすぎるタイプ。

連載の紹介

うさコメント!
2007年、小西真奈美さん主演で放映されたドラマ「きらきら研修医」のモデルとなった織田うさこ氏が、身の回りの医師について、患者との関わりについて、医療現場で起こるさまざまな出来事について、独自の視点で語ります。

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