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看護学校の講師経験から学ぶ(6)
「空気読めない」同僚にどう接すればいいですか

2015/10/07

 前回、前々回と、「巻き込まれ」や「関与しながらの観察」について、やや難しいことを書いてきたので、今回は少し柔らかめのことを。

精神科看護師にならない看護学生に何を求めるか
 せのびぃの講義を受けた看護学生のほとんどは精神科には来ないでしょう。初期研修で各科にローテートしてくる医者のほとんどは、その専門科に進みません。しかし、だからこそ、他科に行く人々に今しか教えられないことがあると思うんです。例えば「診療に対する心構え」や「うまく看護師を続けていくコツ」のようなものかなーと考え、ボーダーラインパーソナリティ患者への対応や、前回まで話題にした「巻き込まれ」についてのメタ認知などを話題にしました。

 今回は、精神的に不安定な同僚や精神疾患を持つ人々への接し方について取り上げたいと思います。

「空気読めない」人との関係
 看護学校の授業後に取っているアンケートの中で、かなり多かった質問です。近年、成人の自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)の概念が広がったことや、インターネットが普及してサイバースペースでのやり取りが日常生活と切り離せなくなった現代になって顕在化してきた問題なのだと思います。

 「画一的な必勝法はないので、ケース・バイ・ケースで考える」

 これが、この質問に対してのある意味最も真摯な答えだと思います。たとえASDという診断が付いたとしても、日常生活における問題が解決することとは別問題です。誰にでも言える回答で恐縮ですが、成人にASDという病名をつけるメリットとデメリットについて考えてみましょう。

 メリットは、病名がつくことによって得られる社会的支援の手が増えることや、内省が進んで主観的に生きやすくなることなどでしょうか。

 しかし、成人の場合は特に、デメリットをよくよく考える必要があります。

著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

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