Cadetto.jpのロゴ画像

精神分析から学ぶ(5)
「主観的」な時間と「客観的」な時間―自分の診療を外から振り返る

2015/05/27

 今回は、精神分析から学ぶシリーズの最終回です。前回は「沈黙」について取り上げてみましたが、「主観的」な時間と「客観的」な時間は大きく異なるというのがもう1つのポイントです。

ビデオ脳波モニタリングの副産物―自分の面接が記録に残る
 せのびぃは、てんかん検査入院を行っている施設で働いていましたので、自分の面接が何度か写り込んでいることがありました(てんかん検査入院とビデオ脳波同時モニタリングVEEGについては『「非典型」を把握するには「典型」の理解が必要』を参照)。

 録画を見て振り返ると、「ここはかなり長い間沈黙したな」と思っていたのに、客観的に見ると意外と短い時間だったということがありました。また、せのびぃ自身の声の大きさや質、高さ、抑揚や、非言語的コミュニケーション法を客観的に見ることができました。

 自分の面接を見るのは顔から火が出るほど恥ずかしかったですが、それを見て自分の面接の長所と短所に気付くことができました。基本は「できていると思っているけど、できていないこと」の気付きですが(笑)

 この「ビデオを見たらこんなことに気付いた!」という経験を同期に言葉で伝え、せのびぃが自ら気付いた”癖”についてコメントをもらいました。これはまさに患者の治療が進むプロセスと一緒です。すなわち、解決したい課題を言語化して外在化・客観視し、それに対して解決法を考えていく、というプロセスです。

 最終的には雰囲気で勝負できる医者にならないといけないのですが、言語化することで、イメージとしてではなく具体的に操作可能なレベルに落としこむことができるという面もあります。

著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

この連載のバックナンバー

この記事を読んでいる人におすすめ