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特別支援学校での経験(その1)
慣れないことは「枠を決める」「構造化」で皆安心

2015/02/04

 前回までの2回、医療者として避けられない「死」について書きましたが、今回からは4回シリーズで発達支援について考えてみたいと思います。自我心理学や対象関係論など、精神科でいうところの“発達”もいつかはコラムにしてみたいとは思いますが、まだ語れるほどの知識がありません。今回のテーマはいわゆる「発達支援」です。

せのびぃ、特別支援学校の児童と宿泊しに行く
 特別支援学校は各都道府県にあります。歴史的なことや細かい区分を書き出すとキリがないので、興味があれば他のサイトをご覧いただくとして、今回は、せのびぃが宿泊に帯同した知的障害の特別支援学校に絞ってお話しようと思います。

 せのびぃの先輩医師が校医を勤めている関係で、小学校5~6年生の宿泊学習に帯同するというオファーをもらいました。普段は大人を診療しているせのびぃにとっては未知の分野だったのですが、スーパーローテート世代として、小児科もかじらせてもらったばかりですから、迷わず「受けます」と答えました。

 帯同して感じたことは、「学校の先生はなんて上手に児童と接するんだろう」ということでした。

 せのびぃが帯同した5~6年生クラスに多かったのは、知的障害の児童、自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder:ASD)の児童、てんかん合併の児童などです。そもそも、コミュニケーションを取るのにもコツがいると思うのですが、先生たちは視線やもじもじした動きなどから意図を察して適切な対応をしていました。反社会的な行動が多い子に対しては適度に無視するという対応も取っていました。教科書的に逐一注意するのは逆効果になると言われているのは知っていましたが、実際にはこうやるんだーと学ぶことができました。

 もちろん、しゃべることができる児童もたくさんいたので、可能な限り大人として扱う対応をしているのも勉強になりました。

 いざ問題が起きてから対応を決めるのは難しいので、アレルギー(食品・ハチなど)やけいれん発作時の対応も事細かに決まっていて感心しました。発作が何分続いたらバルプロ酸を使うとか、救急要請するなどが、一人ひとり決まっているのです。

 逆説的ですが、病院ではすぐに薬を使って対応できるから、それぞれの対応を事細かに決める必要はないんだな、と振り返ることもできました。

 さて、慣れない生活を気持ちよく過ごすためには、とにかく「構造化」するというのがポイントだなと思いました。

著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

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