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せのびぃ、検査項目で初期研修医ともめる

2014/06/06

 6月に入り、この土日は一気に暑くなりましたね。せのびぃは、ちょうど月の変わり目で、チームの初期研修医の顔ぶれがかわったため、一過性に忙しい日々を過ごしています。

「なんでこの検査したの?」と聞かれたことありますか?
 研修医はすべからく「なんで、この検査してないんだ!」「なんで、あれをやってないんだ!」って怒られたことがあると思うんですよね。せのびぃも、デキスタチェックをしておらず低血糖を見逃した失敗を先日カミングアウト(「せのびぃ、痛恨の失敗を思い出す」)したばかりです。

 では逆に、「なんでこの検査したの?」と、検査過剰を追及されたことってありますか?せのびぃは大学所属の医師になってから精神科以外のカンファに出たことはないですが、学生時代の記憶をたどってみると、大学のカンファで採血項目の不備を指摘されることはあっても、検査項目が過剰だと文句を言っていた上級医は少なかったと思うんですよ。自分は初期研修時代によくこの質問を浴びていて、すごく勉強になったのでシェアしたいと思います。

 ついこの前、せのびぃの下についた初期研修2年目のA先生が膠原病系の抗体を一網打尽にしようとしていたとき、同じような釘を刺してしまいました。

 「この結果を見て、A先生の行動はどう変わるの?」

 A先生は、今まで検査項目の過剰について指摘を受けたことがなかったらしく、やや戸惑っていました。最終的には2人でディスカッションし、項目を絞って提出することにしたのですが、やはり育ってきた文化の違いを感じました。

 市中病院で育ってきた自分は、コストや結果が帰ってくるまでの時間を強く意識し、順序にこだわりたい傾向があります。内分泌や膠原病系の項目は外注が多く、偽陽性も多いからです。一方、大学ではかなりの検査が院内で完結できることもあり、カンファ対策や将来の研究目的で検査項目をそろえてから考える傾向があるようです。

 検査をする時には、例えばスクリーニングで撮った胸部単純写真の肺癌見逃し(横隔膜や心臓の裏ってホントに注意深く読まないと気づかないですよね)や、ただの炎症でDダイマーが上がってしまうというリスクも考えておく必要があると思います。

 ついDダイマーを測定し、微妙な陽性になって「炎症反応だろう。経過観察(無視)!」とした場合に、後からDVT(深部静脈血栓症)→PE(肺血栓塞栓症)が判明したら、なぜDダイマーが上昇した時点で造影CTを撮らなかったのかという指摘が待っているかもしれません。Dダイマーが陽性でもCTを撮らないというなら、そもそも検査しなければいいんじゃないかと思うわけです。せのびぃとしては、悪い言い方をすれば「証拠が残る」のも嫌だなぁと、つい考えてしまいます。

著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

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