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1人の医者がカバーすべき範囲は?

2013/12/18

 今回は集中治療領域の総合的内科管理の話から始めてみようと思います。

バックグラウンドを意識したリスク評価と総合的内科管理
 患者さんのバックグラウンドを意識したリスク評価は何事にも重要です。COPDと喘息が既往にあって在宅酸素が導入されている、糖尿病のコントロールが悪い、心不全になったことがある、高血圧患者の大動脈瘤手術、など、「いやいや、考えられ得るリスクのほとんどを持ってるとかどういうこと!?」というようなことも起こり得ます。微妙に改変していますが、モデルは自分がオペに携わった実際の患者さんです…。

 近年のスーパーローテートについては賛否両論ですが、こういう患者の管理を想定すれば、スーパーローテートの1つの意義は見えてくるのではないかと思っています。

 つまり、こういう患者にはどれくらいβ刺激薬を用いるのか、ステロイドを入れるのか、どれくらいの血圧を目標に降圧するのか、輸液はどれくらい入れて良いのかなど、総合的な内科の実力が問われるわけです。あちらを立てればこちらが立たず、というような状況って怖いですよね。

 当院にも、感染を契機にした心不全患者が、よく搬送されてきます。

 どこの病院でも、その患者さんは肺炎がメインなのか心不全がメインなのかで、管理する科が呼吸器内科になるか循環器内科になるかバトルになることがあると思います。しかし、どちらの科にいったとしても、結局は双方の治療が重要になってきます。やはり内科をやる上では、内科領域全般の管理ができないとダメだということになります。

マイナー科のコモンな症状はどこまで押さえる?
 とはいえ、糖尿病を専門にする内科医が眼底評価をできるかと言えば、今のところそこまで要求されていないのだと思います。

 総合内科を自称する一部の医師は、眼底評価はできた方がよい、と宣言しています。

 この論調を進めれば当然、全ての医師は全ての疾患を網羅して診断・治療できたほうがいいに決まっているわけですが、これは現実的には難しいと思います。

 となると、今の若手医師は自分が専門にしない領域のことをどの程度まで知っておく必要があるのでしょうか。

著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

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