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せのびぃ、他流試合にいく

2013/02/27

 新たな経験を積もうと院内で毎日待機しているせのびぃですが、「いつも病院にいるだけじゃダメだ。ちょっと出かけて勉強して来い!」と命じられ、先日他流試合に行ってきました。

 内容は、飯塚病院のOBの先生がはじめたT&Aというコースで、救急初療の最初の10分間でいかに重症疾患をTriageし、Actionを起こすかというものです。

 今までにも内科系のカンファレンスには参加したことがありましたが、決まったアルゴリズムを習うBLSやACLSなどの講習会以外に、実際の診療の流れを考えながら身体を動かすコースに参加するのは初めてだったので、期待を胸に会場に赴きました。

 ショック・胸痛・呼吸困難・吐血・腹痛・頭痛・麻痺痙攣などの各論は、もちろん勉強になったのですが、それ以上に、日々の診療を振り返るという意味で非常に有意義な機会でした。というのも、せのびぃはまだ1年目なので、今自分がいる病院でしか働いたことがありません。ですから、自分にとっての医療は自分の病院が全てというわけです。

 例えば、当院では脳卒中が疑われる症例ではCTを撮り、出血がないことを確認してMRIを撮りにいくというのが当たり前なのですが、とある病院では当直中はMRIが稼働していないため、まずearly CT signを探し、そこで強く脳梗塞が疑われた場合は、MRIは撮らずにtPA投与を行っているという話でした(詳しくは文末注参照)。

 それまで、CTを撮ったら「よし、出血はない」として、あまり真剣にearly CT sign探しはていませんでしたが、その後はMRIを撮る前にも、少し意識してearly CT signを探すようになりました。

 また、別の病院では、カルテ上に「セット」が多数登録されており、例えば「喘息セット」を選ぶと、吸入薬・点滴が自動的にオーダーされる仕組みになっているため、あまり用量用法を覚えていないという先生がいました。人為的ミスを減らすという観点からすると素晴らしいのですが、たまたま電子カルテが使えなかったり、別の場所でバイトしたりすることを考えると、やはり緊急疾患に対する対応は用法用量を含めて暗記しておく方がいいよね、ということで話が落ち着きました。

 普段愚痴を言い合っている仲の良い同期と一緒に行ったのですが、実は同期と一緒に当直する機会はあまりないということにも気づきました。同期がどのような対応をしているのかを自分の目でみて、「あ、ここは自分よりできてる!」とか「あ、テンパッてこれ忘れてる。あとでイジろう」とか思えたことも良かった点です。

 ここで紹介したのはほんの一部ですが、日々の診療を客観的に見直す機会はあまりないと思います。いろいろな勉強会が各地で開かれていると思うので、一度受講をご検討されてはいかがでしょうか。


著者プロフィール

毎日せのびぃ●市中病院での初期研修後、出身大学病院を経て、再度初期研修病院に戻った精神科医の卵。外見や語り口は穏やかで気さくな好青年。だが、胸の内には数々の野望が渦巻いている。今はそれらを封印し、高みを目指して修行に励む日々。

連載の紹介

日々是たぶん好日ナリ
毎日せのびぃ”が臨床の狭間で繰り出すつぶやきログ。生活の大部分を占める医療ネタのほか、将来のこと、趣味のこと、世間話など、フリーハンドで書いていきます。

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