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世界中の母は強し

2013/03/18

皆さまお久しぶりです!

日本の初期臨床研修制度では、2年間で経験すべき88の症候・病態が掲げられており、
そのうち32個について厚生労働省にレポートを提出する決まりになっています(資料1)。ぴぃ子も先日、ヒーヒー言いながらレポート作成を終えました!!(;´∀`)

さらにぴぃ子の病院では、独自に作った200問以上の選択問題による“卒業試験”があります。こちらも、意識が朦朧(もうろう)としながらも、何とか終わらせました。。。

今は「立つ鳥後を濁さず」を目指して、“タマリー”(未作成の退院サマリーのこと→参考記事)や手術記録の山を処理しているところです。

さて。
研修医になってから、3~4カ所の病院を見学に行きましたが、帝王切開術のやり方が病院によって色々で、興味深く感じました。

少しマニアックな話になりますが、子宮の縫合が1層なのか、2層なのか、単結節なのか連続縫合なのか、子宮表面に癒着予防のフィルムを貼るのか、皮下ドレーンを入れるのか……といった点です。術後の創部の管理(ガーゼ交換のタイミング)や食事の開始時期も様々で、それぞれの病院で工夫が凝らされているのが分かります。

麻酔に関しても、ぴぃ子の病院では帝王切開術の麻酔は全例麻酔科医が行なっており、予定の帝王切開術の場合は、腰椎麻酔に加えて硬膜外麻酔をして術後の疼痛緩和を行なっていますが、別の病院では産婦人科が麻酔も行い、腰椎麻酔だけで行なっている施設もありました。

ところで、皆さんの病院では、開腹手術時の皮膚の縫合はどんな風にしていますか?
ぴぃ子の病院では、従来ステープラー(ホチキスの様なもの)を使っていましたが、糸による縫合の方がステープラーより感染リスクが小さいという報告(資料2)を受け、糸による縫合を行うことになりました。

まだ始まったばかりの取り組みですが、個人的には、ステープラーよりも皮膚が綺麗に治っている印象を受けています。

さらに、ステープラーの場合、抜去は最短でも術後6日目となるため、それまで入院している必要がありましたが、糸縫合では吸収糸を使っているため抜去の必要がなく、いつでも退院できるようになりました。

帝王切開術のような開腹手術は相当痛みが強いはずなのですが、お母さんたちが術後半日で離床しはじめ、母乳を与えている姿を見ると、さすがに“母は強し”と思います。糸による縫合に切り替わり、早めの退院が可能になってから、帝王切開術後5日目での退院を希望する方がかなり出始めたことにも驚きました。しかし、英国では90%が術後3日目までに退院し、術後2日目に退院する人も60%に達する、という文献を見つけて仰天してしまいました。

さらにさらにマレーシアでは、術後2日目の退院が基本で、術後1日目(つまり手術翌日)の退院にもトライしているとの報告が(資料3)。しかも、無理にというのではなく、自分から「手術翌日には退院したい!」と希望する母親が半数以上いるようです。

「家で子供(と旦那)が待っているから、とにかく早く帰りたいんですっ!!!」と言って、お腹をさすりながら赤ちゃんを連れて帰っていくお母さんたち。お母さんが強いのは万国共通なんだなぁと感動します。

著者プロフィール

研修医ぴぃ子(某病院初期研修医)●国内の某研修病院で、研さんに明けくれる初期研修医2年目女子。どんなに忙しくとも、外界の様子をうかがうアンテナはぷるぷる回転中。

連載の紹介

研修医ぴぃ子がいく
怒濤の研修生活を満喫中の初期研修医ぴぃ子が、日々の修業の中でふと思ったこと、驚いたこと、役立ったこと、へこんだこと、などなどを、Cadetto.jp読者とシェアします。

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