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ぴぃ子と涙の採血

2011/12/01

こんにちは。ヒヨッコ研修医のぴぃ子です。このコーナーでは、ヘタレ研修医1年目が日々感じた疑問・感想・感動?を悶々と呟いていきます。ツッコミ・叱咤・激励どうぞよろしくお願いします!

ぴぃ子の病院では毎朝の採血は1年目の仕事です。朝6時、眠い目をこすりながら
ヒーコラと患者さんの病室へ向かう…と、ほとんどの患者さんが寝ている(←当たり前)ところをたたき起こしての採血です。

ほとんどの大学医学部の学生は、採血の練習を十分にしていません。そのため、研修を開始した4月の採血現場は恐ろしい様相を呈していました。失敗・失敗・これまた失敗…orz

こ、こ、こ、こ、これは、病院に入院しているほうが、むしろ体に悪いのでは…?
「自分が体調を崩しても自分達の病院には入院したくない!!」と研修医同士で話したものです(患者さんには本当に申し訳ない話です)。

初期研修を開始して7カ月、やっと採血にも慣れてきた今日この頃。最近になって痛感するのは、採血とは「侵襲的な検査」であるということです。

一方で、病院にいると慣れのためなのか「ラボが気になる症候群」になってしまい、数日間採血をしないと無性に血液をチェックしたくなってしまうのが医師という生物です。

世間では「健康診断で1年に1回採血するかどうか」が普通なのに、ただ入院しているというだけで毎週1回ルーチンで採血されている人も。

しかし!自分がやられてみると分かりますが、「採血は痛い」!!!
週に二度三度と採血されている人達が、採血を嫌いになるのも当然です。

そこで、採血をせずに血液検査ができる方法を調べてみると…なんと、あのJAMAに論文が!

250μLという少量で血液検査可能(Michael Salem et al.,JAMA. 1991;266:382-389)。
これなら血糖測定のような形で血液検査ができる日も遠くないかもです。

ワーファリンコントロールのPT-INRについては、すでにpoint-of-care testing (POCT) というのが出回っていて、血糖検査のような形でチェックできます(米国では2001年時点で9%の病院が使用:CDC2001レポート)。

NICUなどで使われている経皮的二酸化炭素モニターは、なんと1960年にSeveringhausが提唱(Anesthesiology 1960;21:717-26)し、1980年に商品化されたという…。

5年後には、採血をせずに経皮的に血液成分が分かるような文明の利器が発明されているのでしょうか?そうすれば日本中の患者さん(+眠れぬ研修医)が救われることに…。
そんな日を夢見て、今日もヒーヒー言いながら採血に向かうぴぃ子でした。

追記:
この原稿を書くのにネットサーフィンをしていたら、パルスオキシメーターの発明者が日本人(青柳卓雄、岸道男、1974年)であることを初めて知りました。いつもお世話になっていたパルスオキシメーターが日本人の発明だったとは…。

著者プロフィール

研修医ぴぃ子(某病院初期研修医)●国内の某研修病院で、研さんに明けくれる初期研修医2年目女子。どんなに忙しくとも、外界の様子をうかがうアンテナはぷるぷる回転中。

連載の紹介

研修医ぴぃ子がいく
怒濤の研修生活を満喫中の初期研修医ぴぃ子が、日々の修業の中でふと思ったこと、驚いたこと、役立ったこと、へこんだこと、などなどを、Cadetto.jp読者とシェアします。

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