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内科レジデンシー生活その3
勤務時間は制限されているが労働密度は濃い

2020/03/16
田中 和豊

前回は内科レジデンシーの1日のタイムスケジュールと回診を解説した。今回は当時の筆者の生活をお話しする。

 内科レジデンシーの1日のタイムスケジュールは朝6時半頃に始まり、通常の日は17時に終了するが、4日に1度の長時間勤務(通称long call)の日だけは夜の21時まで勤務し、月に1回の割合でlong callが金曜日に当たる日だけ翌朝まで勤務が続くことを説明した。そして、毎週末には必ず土日のどちらか24時間完全オフになる。

 このように勤務時間が制限されて、時間帯によって申し送りがなされているアメリカのレジデント生活は、さぞ楽であろうと思うかもしれない。筆者も、勤務時間にほとんど制限がなかった当時の日本の研修医生活からはとても考えられない労働環境の、アメリカのレジデント生活にひそかに期待を寄せていた。しかし、実際はそんな甘いものではなかった。勤務時間が制限されている分、労働密度が濃いのであった!

 アメリカのレジデントの生活は、スポーツに例えると最初から最後までトップスピードで走る感じである。最初は軽いウオーミングアップで始まって、真ん中くらいでトップスピードになって、最後はクールダウンして終わるようなトレーニングメニューではない。朝に病棟に着いたやいなやトップスピードで始まり、そのまま減速することなどはなく勤務終了の17時までひたすら突っ走るような感覚だった。患者の診療や回診の途中にも、看護師がひっきりなしにあれこれ聞いてくる。ポケベルは鳴りやまない。常に何かに追われるように忙しい。

著者プロフィール

田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介

アメリカ臨床留学 今昔物語
Cadetto.jpの好評連載「医学書ソムリエ」でおなじみの田中和豊氏が、若手医師の頃に留学していたニューヨークの病院を19年ぶりに再訪しました。これを機に当時の留学事情やレジデンシープログラムを振り返りながら、米国の最近の医療事情も紹介します。

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