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第8回
回診時のプレゼンテーションは地獄の特訓?
内科レジデンシー生活その2

2020/02/17
田中 和豊

 前回は筆者がアメリカで研修した約20年前のアメリカの病棟チームの業務を紹介した。今回はアメリカの内科レジデンシーのタイムスケジュールと回診について紹介する。

 1日のタイムスケジュールは午前7時のレジデント回診から始まる。レジデントが中心となって、病棟チーム受け持ち患者の回診をするのだ。1年目のインターンはレジデント回診が始まる前に、自分の患者の病状を把握しておくことになっていた。そのためインターンは6時30分以前に病院に来て、自分の受け持ち患者に夜間に発熱や転倒などのイベントが起こっていないか、もしも何かのイベントが起こっていたらナイトフロート(夜だけ働くシフトの医師)によってどのように対処されたかを把握して、レジデント回診時に報告しなければならなかった。

 午前7時から9時までのレジデント回診では、病棟のすべての受け持ち患者についてのカルテを読みかつ診察を行う。病棟チームでその患者の検査・治療方針を確認していき、レジデントは患者に関する医学知識をインターンに質問しながら確認していく。このレジデント回診はベッドサイドで患者を診察しながら行うので、ほぼ2時間立ちっぱなしである。その上、レジデント回診の後に、さらに別の回診がある。それが、午前9時から11時までのアテンディング回診である。

 アメリカでは通常、何らかの医療保険に所属している人は、保険加入と同時に保険プランから自分のかかりつけ医が指定される。このように医療保険に加入していて自分のかかりつけ医がいる患者をprivate patientと言う。一方、医療保険に加入していない患者さんは、service patientと呼ばれている。private patientが入院した場合、元のかかりつけ医が主治医になるルールなので、病棟チームはかかりつけ医と連絡を取って病棟治療を行う。しかし、service patientについてはかかりつけ医が存在しないので、入院中は入院したフロアのアテンディング・ドクター(指導医)が主治医になるのである。つまり、アテンディング回診とは、病棟のアテンディング・ドクターによるservice patientの回診という意味である。

著者プロフィール

田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介

アメリカ臨床留学 今昔物語
Cadetto.jpの好評連載「医学書ソムリエ」でおなじみの田中和豊氏が、若手医師の頃に留学していたニューヨークの病院を19年ぶりに再訪しました。これを機に当時の留学事情やレジデンシープログラムを振り返りながら、米国の最近の医療事情も紹介します。

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