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第2回
Nプログラムと「セカイイチ・クラブ」

2019/10/29
田中 和豊

 今回は、筆者が1997年7月から2000年6月までニューヨークのマウント・サイナイ・ベス・イスラエル病院(当時の名称はベス・イスラエル・メディカル・センター:BIMC)での内科レジデンシーを受ける仲介役となったNプログラムについて紹介する。最初にNプログラムの概要を、参考文献のウェブサイトから引用する。


Nプログラムとは、米国の教育病院における臨床医学レジデンシー・プログラムに日系の若手医師を派遣する民間のプログラムです。

海外旅行傷害保険や海外進出企業に対する諸保険の引き受け会社として 海外の医療機関と交流がある東京海上日動火災保険株式会社は、ニューヨーク市マンハッタンにある教育病院の Beth Israel Medical Center(BIMC)(現、マウントサイナイ・ベスイスラエル)と提携し、日本人向けの外来クリニックを開設するとともに、その翌年の1991年から、日系の若手医師を毎年レジデントとして臨床トレーニングのために派遣する「Nプログラム」がスタートしました。

Nプログラムは 指導者の方々のご厚意と、研修医として学んだレジデントの先生達の誠実な努力のおかげで、毎年数名を派遣する活動を続けています。なお、NプログラムのNとは、当プログラムの創設にご尽力いただいたBIMC院長(当時)のDr. NewmanのNとNew YorkのN、そしてNipponのNを表しています。

一般にアメリカでの臨床研修を希望する医学部卒業生はNational Residency Matching Program(NRMP)とよばれる全国公募制度によって採用されます。日本の医師が この方法で個人的にレジデントのポジションを得るためには 大変な労力を要しますが、Nプログラムは NRMPとは別枠の扱いになっており、アメリカの教育病院で臨床研修を希望する日系の若手医師にとって 大変ユニークで有利なプログラムとなっています。



Nプログラムを支援していただいたDr. Newman(写真提供:西元慶治氏)

著者プロフィール

田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介

アメリカ臨床留学 今昔物語
Cadetto.jpの好評連載「医学書ソムリエ」でおなじみの田中和豊氏が、若手医師の頃に留学していたニューヨークの病院を19年ぶりに再訪しました。これを機に当時の留学事情やレジデンシープログラムを振り返りながら、米国の最近の医療事情も紹介します。

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