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国際保健から地域保健まで、公衆衛生漬けの2カ月間
研修医がWHOに行けるおトクなプログラムとは?

2019/12/16
守本 陽一(公立豊岡病院初期研修医)

 初期研修医は、内科、救急、地域医療など様々な診療科を回ります。2020年度からは、精神科、産婦人科、小児科、外科が再度必修化され、一般外来も研修医が担当することが決まっており、より多様な研修をすることになりそうです。一方、こちらは必修ではありませんが、公衆衛生に興味がある人向けの変わった研修があることをご存じでしょうか。

 そもそも医師は、医師法第1条に「医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする」とあるように、医療のみを行うのではなく、公衆衛生の向上に貢献しなければならない職業ですので、重要な研修といえるのではないでしょうか。僕が参加した公衆衛生研修は、世界保健機関(WHO)から保健所まで、様々なレベルの公衆衛生の現場を見ることで、医師が公衆衛生に関わる意義を知る研修でした。

 そんな面白い研修を行っているのは、国立保健医療科学院という研究機関です。ここでは、公衆衛生にまつわる研究と研修が行われています。ここで2年目初期研修医向けに作られた2カ月間の公衆衛生研修を受けるために、全国から10人強の研修医が毎年集まります。

 研修の半分は、国立保健医療科学院の研究員の方々を中心とした多様な院内講義です。健康日本21、たばこ対策、レギュラトリーサイエンス、産業保健、社会疫学、身体活動、地域づくり、がん対策、感染症対策、医療経済、国際保健――といった幅広い分野について第一線の先生方に講義をしていただきました。残りの1カ月は、WHOのジュネーブ本部や、GAVIアライアンス(旧ワクチンと予防接種のための世界同盟:以下「GAVI」)への訪問、フィリピン大学の感染症プログラムへの参加、厚生労働省でのインターンに加え、国立感染症研究所や国立医薬品食品衛生研究所、浄水場など公衆衛生にまつわる機関を訪問しました。

著者プロフィール

守本陽一(もりもとよういち)●公立豊岡病院初期研修医。1993年生まれ。学生時代から地域診断やモバイル屋台de健康カフェなど、医療×まちづくりの活動を行う。現在も、初期研修の傍ら、活動を継続中。noteやNewspicksでの情報発信も行う。

連載の紹介

「医療」ってなんだっけ
地元の兵庫県但馬地域で地域×医療の活動を続ける中で、改めて医療の役割を考えるようになった医学生時代。大学卒業後も同地域で働くことになった筆者が、初期研修や生活の中で学び、医療の役割を考えます。

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