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「赤い耳」から鑑別できるあの疾患

2021/07/02
松浦 宏樹(岡山市立市民病院総合内科)

 幕末に活躍した伝説的な囲碁棋士で今なお「棋聖」と崇められる本因坊 秀策は17歳の折、当時最強の棋士の一角として名をはせ、後に囲碁四哲にも数えられる井上幻庵因硯と浪華(なにわ)で対局し、これを打ち破りました。因硯優勢で進んだ対局で、秀策は長考を重ねてある一手を放ちます。すると会場の一角で対局を眺めていた因硯の侍医が「秀策の勝利」を予言しました。理由を尋ねた門人達に侍医は「私は囲碁の内容はよく分からないが、あの一手で因硯先生の耳が赤くなった。動揺し自信を失った証拠であり、これでは勝ち目は薄いだろう」と述べたのです。

 この妙手を足掛かりに秀策は形勢を逆転し、見事勝利をつかみました。この一手は後に「耳赤の一手」と呼ばれ、伝説的な名手として現在に至るまで語り継がれています。さて今回の「撮っておきClinical picture!」では、心の動揺が原因ではない「赤い耳」に関するクリニカルピクチャーをご紹介します。

著者プロフィール

松浦宏樹(岡山市立市民病院 総合内科)●まつうらひろき氏。2014年広島大学卒。三豊総合病院で研修を受けながら英文誌への掲載100本を目標にClinicalPicture投稿を開始(2018年12月時点で47本掲載済)、2019年より現職。趣味はダニ収集、アイルランド民謡、昭和の歌謡曲。

連載の紹介

撮っておきClinical Picture!
日々の診療の中で「診ているようで診ていない身体所見」や「診断に直結する特徴的な画像所見」を中心にご紹介します。「百聞は一見に如かず」を合言葉に、皆様の明日からの診療に少しだけ役立てば幸いです。

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