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「人間は本来死ぬようにできている」衝撃から始まった理想の医師像の探求
虎の門病院臨床腫瘍科部長 高野利実

2012/08/06
高島 三幸=フリーライター
高野利実先生 Toshimi Takano

高野利実先生 Toshimi Takano
虎の門病院臨床腫瘍科部長●1998年東大卒。国立がんセンター中央病院内科、東京共済病院腫瘍内科医長、帝京大学腫瘍内科講師を経て、2010年4月から現職。

 高校生のときに見たNHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」は、医師を志していた僕には衝撃的でした。免疫細胞は年を取ると自分自身を攻撃するようにプログラムされている、人間は本来死ぬようにできている、というのです。「病気を治して死なないようにするのが医者の仕事」との考えが根底から揺らぎました。単に病気を治すのが医療の本質だとすれば、それは、自然に逆らうことになってしまいます。「医者として、死を抱え持つ人間と対峙する意味は何だろう」と考える日々が始まりました。

 今も、「医療の本質」の模索は続いていますが、治るか治らないかに価値を置くのではなく、どんな状況であっても、患者さんの幸せを第一に考えるというスタンスは貫いているつもりです。その原点は高校のときに見たNHKスペシャルかもしれません。

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