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私は、どうしたらいいのでしょうか?

2011/07/21

 プライマリ・ケア連合学会で妊産婦支援プロジェクト(PCOT)に参加してから1カ月が過ぎようとしていた5月初旬。私は本当に珍しく「自分は鬱になるのではないか?」と感じました。自分の本業とボランティアの仕事と、どうバランスを取ってやっていくべきか測りかねていたのです。

 ボランティアとして無償でやっているとはいえ、妊産婦支援プロジェクトのリーダーとしての負荷はかなり大きくなっていました。これまでにも、自分の進む道について迷ったことはありますが、今回ばかりはあまりに仕事量が多く忙殺される中、自分でも、どのような方向に進むべきなのか見当が付きませんでした。

 本業であるリサーチフェローの研究はそっちのけで、ボストンと行き来する暇がありません。ハーバードでの研究をまず論文にすべきと分かってはいるものの、走り始めた妊産婦支援プロジェクトを放り出すわけにもいきません。プロジェクトでの仕事は、現地で助産師さんたちに使ってもらう車の手配から広報、運転資金集めまで、多岐にわたっていました。

 事務を手伝ってくださる人を雇うことで、仕事の負荷を減らすことは可能ですが、そもそもの問題は、ボランティアとはどういうものなのかをよく知らないまま飛び込み、「被災地のお母さんのために何とかしなければ」と、色々な仕事にかかわってしまったことかもしれません。

 いつも私を応援してくれる夫や母も「もうそろそろ、活動を縮小してはどうか」と言い始めました。そんなある日、次女がA群溶連菌によるひどい咽頭炎にかかり、もともと綱渡り状態だった我が家は、すっかり立ち行かなくなってしまいました。

 2日間ほど、メールを開くことができずにいたところ、各方面で緊急の要件が発生し、あくる日はその対応に終日追われました。自分が直接対応できないと、プロジェクトがまったく進まないと思うような状況は、相当のストレスを生むものです。自分と同じく、被災地の妊産婦支援に関心がある方が近くにいて、色々相談できたらどんなにいいか、と思います。

 いま一番欲しいのは、マネジメントや組織作りのプロによるアドバイスです。例えば広報、渉外といった部分は、経験ある方にぜひお任せしたいと思うのですが、適任者が見つかりません。

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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