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アメリカも同じです―産婦人科医不足と女性医師の増加

2009/12/31

 日本では、数年前より訴訟と過労を恐れ、産婦人科を志す新人医師が減り、産婦人科医師不足と分娩場所の減少で妊婦さんに大きな影響が出ています。産科が抱える問題としては、産婦人科医総数の減少もさることながら、新卒の男性医師が減少していること、また現役の産婦人科医が、医療過誤訴訟や業務上過失致死傷での刑事訴追などのため、委縮しやる気が低下していることが挙げられます。

 このような状況の中、産婦人科医は日々身を粉にしながら働いています。私自身、子育てをしながら外来、お産、手術業務を続けていくことの難しさを経験し、かといって第一線を退くのは悔しく、ジレンマを感じていました。自分の中では120%頑張っているつもりでも、夜間診療や夕方のミーティングに参加できないことなどから、仕事上での評価は他の医師の7割程度でしかないのを知り、がっかりしたこともたびたびありました。

 「アメリカの産婦人科医師は、どのような状況なのだろうか」「激務の中、医師減少をどのように防いでいるのか」「日本に役に立つ方策があれば参考にしたい」というのが、私の留学した目的の一つでもありました。

 そんなわけで、HPSH(ハーバード公衆衛生大学院)のお隣にあるBrigham And Women's Hospital の産婦人科の回診や勉強会に参加させていただいたり、同級生の産婦人科医を見つけては話しかけたりして、アメリカの産婦人科医師の就労環境やQOLの状況を現地の言葉で知るように努めてきました。

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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