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iPhoneで流行状況をサーベイ―秋のH1N1に備えたボストンでの様々な取り組み

2009/09/10

ハーバードのH1N1予防を呼びかける掲示映像です

 ここハーバードの各大学及び大学院では9月2日から新学期が始まりました。それに伴い、手洗いや咳エチケットでのH1N1インフルエンザ予防を呼びかけるチラシ、ポスター、テレビ画面が至る所で目につきます。こちらアメリカでは日本の携帯メール同様iPhone(アイフォーン)やblackberry(ブラックベリー)などの携帯端末を使ったコミュニケーションが盛んですが、9月2日付のハーバードの機関誌Gazetteにはハーバード関連施設の研究者による、iPhoneを使ったH1N1アウトブレイク早期発見システム"Outbreaks Near Me"に関する記事が載りました。

 CDCや各州の保健局による報道は重症例の報告件数ばかりであり、実際の流行とはかけ離れています。真の流行状況を把握したいということから始まった、このMIT(マサチューセッツ工科大学)の Media LabとChildren's Hospital Bostonとのジョイントベンチャーは、ABCニュースでも大きく取り上げられ話題になりました。

 アメリカには数年前にミルウォーキーで流行した下痢症のアウトブレイクで、止痢薬やトイレットペーパーを扱う地元の薬局がそれらの商品が飛ぶように売れるのを見て流行にいち早く気づいたことが早期対策につながったという実例があります。以前よりグーグルなどでも同様のインターネットによるアウトブレイク予測システムがあったようですが、今回のシステムも、広く普及しているiPhoneで市井の人に感冒症状や、感冒症状を持つ人を見かけるかどうかなどを報告してもらって、流行地域とその流行度合いを見つけようというものです。

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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