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私のサバイバル英会話術

2009/05/08

ハーバードで使っている教科書です

 「英語で授業を受けるの?」「宿題も、テストも、全部英語??」。

 これが留学後、多くの友人たちから寄せられる質問です。もちろん、ここはアメリカ、すべては英語です。今までずっと日本で生きてきた私が、どのようにして英語を獲得してきたのか、英語だらけの学生生活をどのように乗り切っているのか。その秘訣は何だと思いますか?
 
 授業の中で、先生が課題やテストについて早口で述べ「あれっ?」と思うことはたびたびあります。ある時など「与えられたテーマについてリポート3枚にまとめる」というのを聞き逃して1枚にまとめて提出したところ、Teaching Assistant(講義の補佐役を勤める上級学生)が、同情したような顔で正しいページ数を教えてくれたことがありました。「提出期限を過ぎても受け付けてあげる」と異例の配慮をしてもらい、一回りほど年下の学生に深々と頭を下げて感謝したものです。

 これは、HSPH(ハーバード公衆衛生大学院)ではInternational Studentの割合が多く、500人を超える新入生のうち32%(2007年度)の学生がアメリカ国外からやって来るため、英語が母国語でない学生の扱いに慣れているためです。事実、隣の医学部では白人がほとんどを占めるのに対しHSPHではマイノリティの学生に出会うことが多く、人種の多様性を肌身で感じます。

 さて、授業中、どんなに神経を研ぎ澄まして英語を聞き漏らすまいと集中していても、辞書を引いている隙に、あるいは頭の中で翻訳している一瞬に、授業が先へ進んでしまうことがあります。そのような毎日の中で見につけたサバイバル術の基本は、(1)課題について、テストについて周りの人にくどいくらい確認すること、(2)教えてくれたことに対して大げさなくらい感謝の気持ちを言葉にすること、(3)具体的なことで相手を褒めること―の3点です。

 とにかく、息継ぎをするように褒め、感謝することで、相手の中にある「人の役に立ちたい」「感謝されたい」「認められたい」という気持ちを引き出し、お世話になっているお礼しています。褒めることで会話が弾ませ、相手とのコミュニケーションを深めていく。これが私の学生生活を支えてくれているサバイバル英会話術です。

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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