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わずか1年の海外生活だったが

2008/08/19

 帰国して1カ月が経過。診療にも復帰したが、とにかく蒸し暑くてまいっている。ボストンの夏も30℃を超える日はあったが、湿度が低く、同じような気温でも不快指数は低かった。

 日本を離れていたのはわずか1年だったが、帰国してみると、何かと変わっていることがある。

 まず感じたのが、「エコ」「CO2排出削減」といった言葉をよく耳にすることだ。ボストンでは大きなアメリカ車が走り、ごみの分別も徹底されていなかった。「なぜアメリカではごみを分別しないのだろうか?」と、日本人の間で一度話題になったことがあった。ある日本人学生は「我々が分別してしまうと、ごみの分別を仕事にしている人たちの仕事を取ってしまうことになる。だから、市民には分別を課していないらしい」と話したのを聞いて、妙に納得した。真偽は分からないが、仕事を手伝おうと思って手を差し伸べたら、逆に仕事を奪ってしまうこともあるという、アメリカ社会の実情を垣間見た気がした。

 日本のテレビを久しぶりに見ていると、知らない芸人が出ていたり、新鋭のアイドル(という言い方も古いかもしれないが)が出ていたりする。しかし、何と言っても気になるのが、凶悪犯罪をはじめとする犯罪報道の多さである。とある新聞にも犯罪増加の記事が掲載されていたし、やはり日本の治安は悪化してきているのだろう。都内を歩いていて、昼間でも何となく不安がよぎることがある。

 新聞は国際面に目を通すようになり、オリンピックも以前と見方が変わった。鳥の巣を見れば、中国の友人はどうしてるだろうかと思うし、日本対ナイジェリア戦ではナイジェリアの友人を思い出す。以前だったら「ナイジェリアってどこだろう?」という感じだったが、友人に国の状況などを教えてもらっていると、国内で様々な困難を克服してオリンピックに出場した選手たちをいっそう偉大に感じる。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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