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ケンタッキーの「4輪の薔薇」

2008/04/30

Four Roses蒸留所。建物は100年以上の歴史を誇る。

 「4輪の薔薇」というタイトルを見てピンと来た人は、お酒がかなり好きな人か、詳しい人だろう。

 「4輪の薔薇」、つまり「Four Roses」はバーボンウイスキーの名前である。バーボンと言えば、ケンタッキー州。我々は先週末、ケンタッキー州に住む友人を訪れた。

 とにかく緑が多いところである。最近になってようやくボストンも暖かくなり、街路樹が芽吹き始め、一部に綺麗な花も咲いてきているが、まだ「グレー」といった感じである。一方、ケンタッキー州のレキシントンは一面の緑と言っていいくらい、目に優しい景色だった。

 ハーバードの学生にアンドリューという、ケンタッキー出身の医師がいる。彼とは「リーダーシップコース」で一緒になった際に話す機会があった。コースの一環で「自分が大臣かヘッドになったと仮定して、どのような政策を実行したいかスピーチしなさい」というものがあった。そのときにアンドリューはケンタッキー州の公衆衛生担当者になったものとして、以下のようなイントロでスピーチを始めた。

 「とても健康とは言えない州、ケンタッキーの公衆衛生担当者として…」。

 この始まりで、教室には笑いが起こった。自分にはその笑いが理解できなかったが、今回の旅でその意味がようやく理解できた。

 「ケンタッキーで有名なものを挙げよ」と聞かれると、日本ならば「ケンタッキーフライドチキン」と答える人が多いかもしれない。確かに1号店はケンタッキーにあるが、地元の友人に言わせると3つであるという。

 「バーボン、タバコ、そして競馬」。
 酒にタバコにギャンブル。なるほど、アンドリューのスピーチのイントロで起こった笑いの理由が分かったような気がする。

 ケンタッキーはバーボンで有名な一方、州内にはいまだ禁酒法が敷かれているところもあるそうである。タバコに関しては、喫煙率は高いらしく、レストラン内でもタバコが吸えるところがある。競馬は、ルイビルで開催されるケンタッキーダービーが有名だが、レキシントン空港の目の前にもキーンランド競馬場があり、右手にタバコ、左手にはビールと馬券という人たちがたくさんいた。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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