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臨床研究に参加(その2)
やっぱり驚いた! 臨床研究の陣容と戦略

2008/04/16

 自分が日本で行っていた臨床研究では、自分で研究方法をある程度考え、自らカルテを見直し、エクセルにデータを入力していた。標準偏差や標準誤差、正規分布など全く分からず、t検定やいくつかの検定方法(今振り返ると使用する検定方法も違っていたのだが)に当てはめて、どんなP値が出るかだけを気にしていた。挙げ句には、「今回の検討ではn数が少ないために有意差が出なかったが、n数を増やせば有意差が…」と発表していたように思う。

 Brigham and Women's Hospital(BWH)での臨床研究に参加すると、リサーチナースから統計学者までそろい、症例数を予め計画してデータ収集を行っている。臨床疫学や統計学を学んだ今となっては、驚くまでもない陣容であるはずなのだが、データの多さ・マンパワーの充実ぶりにはやはり驚かされた。

 日本では、リサーチナースはまだまだ少ないだろうし、臨床研究のチームに統計学者が入っているところはほとんどないのではないかと思う。しかし、自分が日本に帰って臨床研究を行う際には、統計学者の知識をぜひ借りたいと思っている。

 この研究は、4月24~26日に開催される第128回American Surgical Association(ASA)で発表される。タイトルは「Perioperative hyperglycemia in noncardiac surgical patients: Does it increase postoperative infection ? 」。今回の発表は約1000例の検討による結果だが、将来的には2500例に規模を大きくしての検討を予定している。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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