日経メディカルのロゴ画像

Meta-Leadershipとは…(その2) VisionからImpactへ

2008/01/26

 “Meta-Leadership”という概念を学んで、組織を率いるための考え方のみならず、いろいろな局面に応用できるのではないかと感じた。例えば自分の将来を考える場合、まずはステップ1(前回の(1)参照、以下同じ)として、このまま今の病院に勤めるべきか、医局に残るべきか、あるいは転職すべきか、留学すべきかといった選択枝を考える。そして、その行動をとる場合の問題は何か(ステップ2)、その問題の解決にはどうしたらよいかを検討するために転職情報を集めたりする(ステップ3)。さらに、専門医を取得したり、留学のためにTOEFLを受験するなど、自らのレベルアップを図り(ステップ4)、自分のキャリアをアップする(ステップ5)といった具合だ。

 “Meta-Leadership”を理解した上で、リーダーとしての自分の“Passion”をどのように“Vision”から“Action”へ移していくか? セミナーの後半のテーマは、その方法の実際だった。

 実現の流れは、「Vision → Operation → Impact」という。

 “Vision”に必須の要素は、意味があること、何らかの変化をもたらすこと、なぜ重要なのかを把握していること――の3つという。この中のどれか1つが欠けていても不十分で、この段階でつまづくようだと、ただの“夢追い人”で終わってしまう。

 次のステップは“Operation”。Vision実現のための戦略を立てる。Visionを実行するまでの期限を設け、必要なスタッフは誰か、予算はいくら必要か、最終的な目標は何か、ポリシーは何かといった点を確認する。実現のためにスタッフは働いてくれているか、問題は起こっていないかも逐次チェックする。当然、やりっ放しではだめで、適切な評価が必要だ。評価によるフィードバックを軽んじるリーダーはただの“突進者”となってしまう。

 VisionとOperationがうまくつながることで組織内や社会に“Impact”を与えられるようになる。

 このコースの特徴は、フィードバックがとても充実していることである。自分は、「最初のころよりもスピーチに自信がみられるようになった」「ほかの人ともっと積極的に交流を持つように」「失敗を恐れないように」といったフィードバックを講師やほかの学生から受けた。日常生活の中で自分を客観的に見ること、あるいは見てもらうことはなかなか難しい。しかも、適切なフィードバックとなると、なおさら難しい。この点、コースのシラバスには、フィードバックの仕方についての詳しい説明も添えられている。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ