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Meta-Leadershipとは…(その1)

2008/01/22

 今回は先日終了した「Public Health Leadership Skills」で学んだことを紹介したい(この講義の概要については1月9日11日のブログに大まかな内容を書いているので参考にしていただきたい)。

 この講義を聴くまで、「リーダー」という言葉には「組織のトップの人たちのこと」というイメージを持っていた。しかし、講義で指すリーダーとは、そのようなトップの人に限ったものではなく、もっと身近の、例えば家族内や仲間内でのリーダーのこと。病院ならば、教授や医局長、部長のみならず、その下に位置するスタッフの中でのリーダーなど、様々な立場の人に使われる。

 留学する前の自分を考えると、フェローという立場であったため、部長の先生というリーダーが上にいたが、レジデントの教育、患者さんの治療方針を決めるという意味で考えると、“リーダー”という立場にあったといえる。

 患者の容態が急変すれば医療スタッフが緊急招集されるが、その場面でもリーダーシップが発揮される。リーダーシップ機能がうまく働かないと、9.11やハリケーン・カトリーナのときのように対応が失敗に終わるという。このように、リーダーシップを考えることは危機管理にも通じる。

 今回のコースで特に強調されたのが“Meta-Leadership”の概念である。この概念は5つの部分からなる。講義で使われた言葉を借りると、(1)The Person、(2)The situation、(3)Lead the silo、(4)Lead Up、(5)Lead Across――の5つである。ちなみにsiloは牧草などを保存しておくための大きなタンクだが、この場合は大小にかかわらず1つの組織を表す言葉として使われている。

 Meta-Leadershipの実践には、まず(1)の「The Person」から始まる。自分の長所・短所は何か。己を知ることである。1日目の宿題は「自分の長所・短所について1ページ以内でまとめよ」というものであった。

 そして重要なのは“passion”を持ち続けること。「研究で常識を覆す業績を上げる」「患者のために何かしてあげたい」「発展途上国の医療を改善したい」など、何でもよい。passionは自信や探究心から生まれるとのことだ。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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