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リーダーは常に監視されるもの

2008/01/09

 年始のボストンはとても寒く、自宅の窓枠の結露が凍って窓が開かないくらいだった。しかし、ここ数日は気温がマイナスになることもなく、穏やかな日が続いている。通りにあった雪はほとんど解け、泥混じりの雪が一部岩のような状態で残っている。

 大学院は1月2日から始まったが、選択するコースによって開催日が異なる。Winter sessionに当たるこの時期は、休みの人もいれば、講義を選択する人もいる。Field tripという各国(チリや中国、インドなど)の保険制度を見学するコース、疾病管理予防センター(CDC)で開催されるコースもある。環境保健に関するコースはエーゲ海の島に行って勉強するそうである。

 このWinter sessionで自分が選択したのは“Public Health Leadership Skills”というコース。ハーバード公衆衛生大学院の講義の中で最も受けてみたいコースの1つであった。コースの定員は30人と決まっているが、毎年大人気とのことで、60人くらいの学生が申し込む。

 Winter sessionのコース選択は12月初めにコンピューターで行うが、9時から始まるコース登録のウェブサイトは混雑し、なかなかアクセスできない状況となる。登録は先着順で、自分がサイトにアクセスできたのは9時15分くらいであったが、このコースの定員は既に半分埋まっていた。おそらく30~40分くらいで受付終了となったのではないかと思う。前年度の学生の評価を見てもこのコースは満点に近く、いかに人気のコースであるかが分かる。

 コースは全5日間で、朝9時から夕方4時まで。途中に休憩をはさみながらであるが、内容は盛り沢山である。初日の今日(7日)は「リーダーシップとは何か?」という講義から始まった。強調されたのは、リーダーとして自分の特徴をまず知ること、“Passion”が必要であること、そして公衆衛生に関するスキルが融合してリーダーとしての能力が発揮されるということである。

 「meta-leadership」 についての講義もあった。この言葉自体、自分は初めて聞いたのだが、メタ分析という言葉から推察されるように、簡単に言えば多くのものを取りまとめて1つとし、総合的に判断するリーダーシップのことである。この“meta-leadership”については、後日紹介したいと思う。

 午後の内容はとてもユニークだった。まず1つは、「自分が各国の厚生大臣になったとして、3分でビジョンを語る」というスピーチである。どこにでもある3分間スピーチと感じられるかもしれないが、講師2人からのフィードバックがとても充実している。「このイントロでは誰も話に興味がわかない」「あなたのスピーチを聞いていて一緒に頑張りたいと思った。なぜならあなたのスピーチは…」など、とても実践的だった。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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