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留学を後悔している暇はなかった

2007/12/25

 12月21日でFallの学期が終了した。今思うと長いようで短い6カ月だった。この半年の勉強について振り返ってみようと思う。

【Summer session】
 ボストンに到着して1週間後にSummer sessionが始まった。最初は英語の講義に慣れず、留学を少し後悔した時期もあった。日本語だったら言っていることはすべて分かるのに、英語だとほとんど分からない。しかも何割を自分が理解しているのかも分からない。先の見えない不安と理解できないことへの苛立ち。しかし、後悔している暇はなかった。講義についていくのが必死だからである。

 Summer sessionは午前8:30から始まり、午後3:20に終わる。1日に3つの講義が月曜から金曜まで毎日開催される。たった3つの講義だが、予習復習が間に合わない。いつも勉強のため図書館に通い、夜も2時くらいまで勉強を毎日やった。それでも追いつかないのである。この時期は確実に体重が減り、電気代は有意にかかっていた。Summer sessionが終わりに近づくにつれ、「もう少しで終わりだ」と思う反面、「今後このような生活が続くのか…」という先の見えない不安が入り混じった。

【Fall 1】
 人生は予期できないのが常で、予期できないからこそ人生は楽しいものである。Summer sessionの時に誰がこのFall 1を予想できただろうか?
 火曜日・木曜日は必修の講義がなく、その日以外でも多くが午前中に終了する。精神的な余裕も出てきたため、復習のために選択していない講義にも出席してSummer sessionの埋め合わせを行った。この時間が自分にとって遅れを取り戻す良い時期だった。欲張りすぎず地道にやる。慣れない環境では焦らずじっくりとやることが重要と学んだ。

 Fall 1で選択してよかったと思う講義は「Society and Health」である。社会構造が健康に及ぼす影響について学ぶものだが、とにかく学ぶものが多かった。医療の見方も変わったと思う。

 自宅での勉強時間も極端に減り、電気代は有意に下がった。幸い体重はキープしたままである。

【Fall 2】
 Fall 2ではややチャレンジした。「Financial Management and Control」の選択である。これまで勉強したことのない分野であり、基礎知識が全くなかったので心配したが、Summer sessionで得た知恵がここで生きた。

 講義は“症例”、つまり実際の医療機関の状況を基に進められる。その症例を検討するために基礎知識が必要となるが、そのために教科書を平均20ページくらい読まなくてはならない。必須ではないが、基礎知識のない自分にとって予習は大切である。最初はまじめに隅から隅まで読んでいったが、徐々に流し読みが出来るようになった。この技術の習得によって予習時間は極端に短い時間で済むようになった。

著者プロフィール

内山 伸(ハーバード公衆衛生大学院生)●うちやま のぼる氏。1999年佐賀医大(現佐賀大学)卒後、1999〜2001年聖路加国際病院内科レジデント、2001年同チーフレジデント、2002年同病院呼吸器内科。2007年7月留学。

連載の紹介

内山 伸の「ハーバード留学日記」
2007年7月から1年間、米国ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に留学した内山氏。日々の授業の内容や米国の医療事情、ボストンでの生活を紹介します。

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