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ノーベル平和賞受賞者にバイパス手術を指導!

2012/08/03
津久井宏行

ノーベル平和賞のMuhammad Yunus氏に、冠動脈吻合に挑戦してもらいました。

 ノーベル平和賞受賞者に冠動脈バイパス手術を指導するという機会がありました!

 右写真で冠動脈バイパス手術シミュレーターに挑戦しているのはMuhammad Yunus氏。Yunus氏は、1983年に祖国のバングラデシュにて、無担保で少額資金を貸し出すマイクロ・クレジットを行うグラミン銀行を設立しました。これまでに多くの貧しい人々に貸出を行い、貧困対策を行ってきたことが評価され、2006年にノーベル平和賞を受賞されています。

 Yunus氏を紹介してくれたのは、冠動脈バイパス手術シミュレーターの開発者としてこれまでも紹介してきた早稲田大学理工学部の朴栄光さん。今年1月にWorld Economic Forum(通称ダボス会議)に日本代表として参加した彼がこの会議で知己を得たことで、7月中旬に来日した際に訪ねてくれたのです。

 もちろん、世界的にも名の通ったバンカーがこれから心臓外科医を目指すわけではないので、今回の会合の主目的は手術トレーニングではありません。

 いまだに医療サービスレベルの格差が大きいアジアの国々において、私たち日本人が貢献できることはないか。このことを話し合うのが会合の趣旨でした。Yunus氏に紹介したオフポンプバイパストレーニング装置もその一つですが、日本が所有する最新テクノロジーを活用することで、途上国の医師のレベル向上に貢献し、人的交流を行おうというものです。

著者プロフィール

津久井宏行(東京女子医大心臓血管外科准講師)●つくい ひろゆき氏。1995年新潟大卒。2003年渡米。06年ピッツバーグ大学メディカルセンターAdvanced Adult Cardiac Surgery Fellow。2009年より東京女子医大。

連載の紹介

津久井宏行の「アメリカ視点、日本マインド」
米国で6年間心臓外科医として働いた津久井氏。「米国の優れた点を取り入れ、日本の長所をもっと伸ばせば、日本の医療は絶対に良くなる」との信念の下、両国での臨床経験に基づいた現場発の医療改革案を発信します。

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