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日医や専門医制認定機構では力不足
(10/24訂正)

2008/10/21

 前回の第2回「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医のあり方に関する研究」班会議では、日本専門医制評価・認定機構の理事長の池田康夫先生と日本医師会常任理事の飯沼雅朗先生をお招きしました。お二方のお話をお聞きして、2団体に聞きたかったことを引き出せたのが大きな成果でした。

 研究班での主張をお聞きした限り、少なくとも目下のところは、今最も必要とされている体系的な家庭医総合診療医の教育プログラムについては、両団体とも本腰を入れて検討する対象になっていないのではないかと思いました。両団体とも、医師数全体のコントロールは難しいのではないか、というのが僕の印象です。

 まず、日本専門医制評価・認定機構の取り組みについてですが、現在、各専門医は学会などが独自に認定しているものであり、その質も量もコントロールされていない現状があります。もちろん、家庭医・総合診療医については、現在コントロールする体制はありません。

 池田先生も各専門医の人数を把握して、将来の適正人数を計算して調整する必要性はあるとおっしゃっておりました。ただ、具体的なタイムスケジュールをお聞きしたところ、これから各学会に聞き取り調査を行うということでしたので、まだ計画段階です。このままですと、議論していくだけで10~20年くらい経ってしまいそうな気がしました。

 また、日本専門医制評価・認定機構が全体の数のコントロールができるのか、といった点では、機構自体が69学会が集まった持ち寄り所帯なので、国連みたいなものです。ある方向性が示せても強制力はないわけです。理事もいわゆる調整役で何の権限もないので、コントロールしようがありません。

 一方、日本医師会では、幅広い領域を診ることができる総合診療医を養成しようという方向性にはあります。ですが、主に卒後7年後以降の医師対象のコース2~4が中心であり、既に専門家としての研修を受けている医師が、他科領域についても幅広く診ることができるように緊急避難的に養成する道、というイメージです(下表)。

 実際、コース1の卒後の後期研修については、今のところ始められる状況ではないとのことでした。そこにはあまり関心がなさそうというのが素直な感想です。

 カリキュラムについては、われわれは主にon the jobトレーニングを考えていますが、日本医師会では主にクラスルームでの学びというイメージでした。具体的な教育体制についてはまだ固まっていない状況のようでした。

著者プロフィール

土屋了介(国立がんセンター中央病院院長)●つちや りょうすけ氏。1970年慶応義塾大卒。慶応病院外科、国立がんセンター病院外科を経て、2006年より現職。

連載の紹介

土屋了介の「良医をつくる」
「良医を育てる新しい仕組みをみんなで作り上げよう」。医学教育、専門医制度の論客として知られる土屋氏が、舛添厚労大臣直轄の会議と同時進行で議論のタネを提供。医師、医学生、医療関係者から広く意見を募ります。

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