日経メディカルのロゴ画像

円熟期の黒澤明の集大成か
理想の医師像『赤ひげ』は傑作か?
時代とともに変わる評価の面白さ

2015/12/02
冨田和巳(こども心身医療研究所)
理想の医師像『赤ひげ』は傑作か?の画像

 『赤ひげ』は常識的には連載の第1回に取り上げるべき映画であるが、少々へそ曲がりの私はそれをせず、最終回に私なりのうんちくを述べて連載を終わる。黒澤明が山本周五郎の原作を基に、本作を撮ったのは昭和40(1965)年で、日本映画の衰退が年々叫ばれ5年あまりが経過していた。この作品で黒澤の目指したのは、自ら描き続けてきたテーマ「未熟な若者を老賢者が導き育てる」の集大成と、「日本映画健在」を示したい第一人者として自負であった。

著者プロフィール

冨田和巳氏(こども心身医療研究所所長/大阪総合保育大学児童保育学部教授)●とみたかずみ氏。1967年和歌山県立医大卒。小学生の頃から映画を観つづけ、映画鑑賞が最大の趣味。『小児心身医学の臨床』(診断と治療社)、『小児心療内科読本』(医学書院)などでも映画を扱ったコラムを執筆した。

連載の紹介

冨田和巳の「映画で考える医療と社会」
今や、DVDや映画専用チャンネルなど、映画は自宅で簡単に鑑賞できる時代です。これまで映画館に行く時間がとれなかった映画好きの医師に向けて、医療・医師を中心とした作品を紹介します。映画評論家風のコメントではなく、臨床医の立場から、映画を通して見た医療と社会について意見/異見を綴ります。

この記事を読んでいる人におすすめ