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ナチス裁判を題材に思考停止した表面的正義の危うさを指摘
ヘビースモーカーの政治哲学者の勇気『ハンナ・アーレント』(2013年)

2015/04/10
冨田和己
ヘビースモーカーの政治哲学者の勇気『ハンナ・アーレント』(2013年)の画像

 本欄は、映画好きの素人が書く「映画を題材にした随筆」なので、評論家が称賛する芸術性の高い難解な作品は基本的に扱わない。私の能力の問題でもある。以前取り上げた芸術的映画『風にそよぐ草』(2009年)も、いかに監督が一人よがりで、面白くないかを指摘し批判した(中年の女医をストーキングする初老の男性の物語『風にそよぐ草』(2009年))。今回紹介する「主人公が政治哲学者」で「ナチの裁判」を扱っているこの映画も、評論家好みで難解そうにみえる。しかし誰でも理解できるメッセージの明解さと、感動的な幕切れが素人にもよく分かるようになっているので、積極的に取り上げる。

著者プロフィール

冨田和巳氏(こども心身医療研究所所長/大阪総合保育大学児童保育学部教授)●とみたかずみ氏。1967年和歌山県立医大卒。小学生の頃から映画を観つづけ、映画鑑賞が最大の趣味。『小児心身医学の臨床』(診断と治療社)、『小児心療内科読本』(医学書院)などでも映画を扱ったコラムを執筆した。

連載の紹介

冨田和巳の「映画で考える医療と社会」
今や、DVDや映画専用チャンネルなど、映画は自宅で簡単に鑑賞できる時代です。これまで映画館に行く時間がとれなかった映画好きの医師に向けて、医療・医師を中心とした作品を紹介します。映画評論家風のコメントではなく、臨床医の立場から、映画を通して見た医療と社会について意見/異見を綴ります。

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