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合理性を欠く「合理化」―入院患者の他院受診抑制策に不満が噴出

2010/05/25

 あまり一般のニュースでは伝えられていませんが、医療系のメーリングリストなどでは、「入院患者他院受診抑制」に対して、医療者からずいぶんとブーイングが出ています。

 この受診抑制というのは、2010年4月に実施された診療報酬改定で、入院患者の他の医療機関での受診の取り扱いが変更されたことを指します。この改定で、これまで規定のなかった入院基本料等算定患者等についても、患者が他の医療機関を受診した日は入院基本料等の基本点数を30%減額し、他医療機関では「医学管理等(診療情報提供料は除く)、在宅医療、投薬、注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射に係る費用を除き、処方料、処方せん料及び外来化学療法加算を含む)及びリハビリテーション(言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーションを除く)に係る費用」の算定ができなくなりました。また、今回の改定では、出来高払いである入院基本料算定患者も含めて、他医療機関での投薬を「専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬」に制限しました。

 入院が必要な高齢の患者は、複数の疾病を抱えていることが多いでしょう。ところが、医療機関は総合病院ばかりではありません。単科病院や、複数科を設けているといっても、2~3の科しかない病院に入院すれば、カバーされない疾患も出てきます。また、患者さんによっては、入院してもいつも通院している診療所の薬が欲しいというケースもあるでしょう。今回は、そのような受診事情を緊急調査した岡山県保険医協会のアンケート結果をご紹介します。

 5月14日、岡山県保険医協会は、会員の医科院長を対象に「緊急実態調査」を実施しました。質問は以下の5項目です。

著者プロフィール

竹中郁夫(もなみ法律事務所)●たけなか いくお氏。医師と弁護士双方の視点から、医療訴訟に取り組む。京大法学部、信州大医学部を卒業。1986年に診療所を開設後、97年に札幌市でもなみ法律事務所を開設。

連載の紹介

竹中郁夫の「時流を読む」
医療のリスクマネジメントを考えるには、医療制度などの変化に加え、その背景にある時代の流れを読むことも重要。医師であり弁護士の竹中氏が、医療問題に関する双方向的な意見交換の場としてブログをつづります。

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