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夏休み海外旅行のご注意点

2008/07/29

 7月下旬の3連休、石油高騰のせいでしょうか、行楽客の傾向はもっぱら「安近短」というのがテレビニュースのコメントでした。

 さて、本格的な夏休みの季節ですが、海外旅行はいかがでしょうか。燃油サーチャージ(燃油付加特別料金)が高いからでしょうか、JTBの予想によると、今年の夏休み(7月15日~8月31日)の海外旅行客は、昨年に比べ7%減の見込みということです。それでも推計値は225万人です。半端な数字ではありません。

 しばらく前に、あるドクターが米国の学会に出張中に病に倒れ、医療費の支払いで不思議な体験をされたというお話を紹介しました。今回はこの海外旅行保険のお話から始めます。

 各損害保険会社の保険商品を比較するインターネットサイトで調べてみると、海外旅行保険でカバーされる補償内容の基本はどこも似たようなものです。「傷害死亡」「治療・救援」「疾病」「賠償責任」「携行品」と担保範囲が並び、それぞれ1000万円あるいは100万円など各補償の補償上限額が並びます。

 補償金額や保険料のような経済的な競争だけでなく、各社さまざまなサービス、売り物の惹句で勝負します。

 「出発前の病気も補償、治療・救援費用無制限プランあり、また妊娠による治療・救援費用も補償」と治療・救援などの手厚さをアピールする会社。また「24時間365日、日本語・電話サポートサービス」「キャッシュレス医療サービス」「現地在住の専用スタッフが日本語で対応」など何かあったときの安心感、機動性を売り物にする会社。

 さらに、「自由に保険設定できるフリータイプ」「リピーターに、割引をプラス」など商品設計の融通性などに力点を置く会社、様々です。

 具体的な保険料は、ハワイ6日の旅行とすると、1人2~3000円から4~5000円の価格帯で、ご夫婦合わせてもせいぜい1万円程度で済みます。国内で30万~40万円の虫垂炎の手術が、ハワイでは200万円程度はかかることなどを考えれば、やはり必須の準備といってよいでしょう。

 ただ、既往歴などについては告知義務があり、疾病補償などについては既往歴のある疾患については不担保(保障外)になったり、告知義務違反があれば保険解約を余儀なくされ、保険金は出ないということになりかねませんので、ちゃんとその辺りのケアと覚悟をしておく必要があります。

著者プロフィール

竹中郁夫(もなみ法律事務所)●たけなか いくお氏。医師と弁護士双方の視点から、医療訴訟に取り組む。京大法学部、信州大医学部を卒業。1986年に診療所を開設後、97年に札幌市でもなみ法律事務所を開設。

連載の紹介

竹中郁夫の「時流を読む」
医療のリスクマネジメントを考えるには、医療制度などの変化に加え、その背景にある時代の流れを読むことも重要。医師であり弁護士の竹中氏が、医療問題に関する双方向的な意見交換の場としてブログをつづります。

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