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「緊急医師確保修学資金」制度の条文を読む

2008/06/06

 6月2日、福島県が今年度、福島県立医大1年生を対象に設けた「緊急医師確保修学資金」制度で、入学者95人のうち30人に、奨学金が貸与されることが決まったというニュースを読みました。

 調べてみると、このような医師確保を目的とする奨学金制度は、東京都や大阪府といった一部の都市部を除いて、ほとんどの道府県で作られています。福島県の場合、奨学金が貸与される30人のうち10人が「1種」で、貸与月額は23万5000円です。

 卒業後9年間、県内の公的医療機関で勤務するなどの要件を満たせば返済が免除されます。残りの20人は「2種」で、月額10万円を貸与され、6年間の県内勤務などを満たせば返済免除となります。県内高校出身者は、1種で5人(女性5人)、2種で15人(同10人)という占有率になっています。

 今回は、この奨学金制度を定める福島県緊急医師確保修学資金貸与条例の条文を参考に、医師確保と奨学金制度について読んでみたいと思います。

 あらかじめお断りしておきますと、今回参考にしようとする福島県の奨学金制度は、他の道府県と同じく奨学金を貸与することによって修学をサポートし、卒業後に一定年限地元で就労することでその返済を免除するというシステムです。これにより地域医療に従事する医療スタッフを確保しようとするもので、特別に変わったものではありません。

 したがって、その批評については、どの道府県の制度にも当てはまることで、福島県の制度を特別にどうこういうものではありません。その点はご了承ください。

著者プロフィール

竹中郁夫(もなみ法律事務所)●たけなか いくお氏。医師と弁護士双方の視点から、医療訴訟に取り組む。京大法学部、信州大医学部を卒業。1986年に診療所を開設後、97年に札幌市でもなみ法律事務所を開設。

連載の紹介

竹中郁夫の「時流を読む」
医療のリスクマネジメントを考えるには、医療制度などの変化に加え、その背景にある時代の流れを読むことも重要。医師であり弁護士の竹中氏が、医療問題に関する双方向的な意見交換の場としてブログをつづります。

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