この3月下旬から大阪府吹田市の救急車に救急モバイル・テレメディシン・システムが搭載され、救急車から国立循環器病センターに直接に患者データを送信しながら患者を搬送することができるようになりました。
救急車で搬送中の患者の12誘導心電図、血圧、呼吸、脈拍などのバイタルデータや、小型モニターによる患者の映像など、救急医療に必要なデータが標準化され、移動通信網(FOMA)を介して、医師の手元にリアルタイムで届きます。データを見ながら発せられる医師の指示のもとでの救急救命士による適切な初期対応や、早期の診断による病院への収容などを可能にするのがこのシステムの肝です。
国立循環器病センターが昨年度の研究公募に使った紹介文には、「循環器急性期医療におけるモバイル・テレメディシンの実用化とその評価に関する研究」について以下のように説明されています。
心筋梗塞や脳卒中における超急性期医療の実践においては、関係機関の連携強化が急務であり、情報技術を活用して院外連携を行う、「モバイル・テレメディシン」の救急医療分野における導入可能性が検討されてきた。その研究基盤を発展させ、救急車と搬送先病院を結ぶ無線遠隔医療システムを標準様式として公開し、地域との連携により、早期診断・治療率の向上や常時指示体制の実現等をエンドポイントとした実地研究を実施し、医療上の有用性を評価することを目的とする。