日経メディカルのロゴ画像

笑う門には福来たる

2007/01/12

 ある医療雑誌の最新号で、高柳和江(日本医大助教授・病院管理学)先生が「笑い療法士」の誕生について語っておられる記事を読みました。

 高柳先生は、「癒しの環境研究会」の世話人をされていますが、この研究会では昨年7月、第2回「笑い療法士」認定を行って、94人を3級に認定したそうです。この「笑い療法士」というのは、笑いで患者の自己治癒力を高め、健康な人の発病予防をサポートする目的で作られた一種のボランティア的あるいはNPO的資格です。第1回に49人が認定されたそうですが、今回の第2回の認定では、医師や看護師だけでなく、サラリーマンや主婦、教諭、定年退職後の方などの様々な職種・立場から約3000人以上の問い合わせがあり、914通の応募があったということです。

 2日間にわたるトレーニングと講習、さらにその後の厳しいフォローアップを受けてやっと3級の「笑い療法士」に認定されるそうで、冗談のようなお笑い資格といえども、結構大変そうなハードル、トレーニングを課しています。前述のように、第2回認定では一般の志願者だけでなく、医療職も大勢が認定されているそうで、単なる非医療者のボランティア的関与とばかりはいえません。同研究会のホームページでは、笑い療法士は「そばにいても安全で安心」と相手の方に思っていただくことが、まず大切で、病院、福祉施設、学校、普段の生活の場などで患者さんやそばにいる人に受け入れてもらうことが大事なことだ、周囲の雰囲気を明るく、楽しくする人たちに与えられる資格なのだとアピールしています。単に、病院や施設といったところばかりでなく、町々に、世の中に広く笑いの花を咲かせたいというのがその趣旨です。

 高柳先生は、同研究会のホームページで、次のように「笑い療法」の説明をしています。

癒しの環境には、「安全・リラックス・元気になる気がする・効率・生きがいになる」という5つの理念がある。これは、患者さんの権利を守るという癒しの根本原理から始まっている。ストレスを抱えた人に対する笑いにも、この5つの理念がそのまま当てはまる。
その人が来ても安全と思える。彼(彼女) がいると安心で、なんだか私の気持ちに寄り添ってくれるようだ。目が合い、その微笑で、私の固まっていた心が溶ける。くすっと笑ったのが、いつの間にかげらげら笑いになる。いつでも笑えるようになり、生きがいが出てくる――。
10分間の大笑いで2時間は痛みが取れる。幸せホルモンであるエンドルフィンやセロトニンが出る。NK細胞活性も高まり、免疫もあがる。笑いが一番、薬は二番。薬の必要な人も、必要でない人も、笑い療法士の笑いに感染してください。笑って幸せになりましょう。
「1日5回笑って、1日5回感動する」ことはやってみたら簡単。「やる」という第一歩が大切なのです。『笑い療法士』が世の中にひろまって、日常的に病院でも、普通の生活でも 笑いが感染するように願っています。それが世の中をいきがいのあるものにするもとなのです。


著者プロフィール

竹中郁夫(もなみ法律事務所)●たけなか いくお氏。医師と弁護士双方の視点から、医療訴訟に取り組む。京大法学部、信州大医学部を卒業。1986年に診療所を開設後、97年に札幌市でもなみ法律事務所を開設。

連載の紹介

竹中郁夫の「時流を読む」
医療のリスクマネジメントを考えるには、医療制度などの変化に加え、その背景にある時代の流れを読むことも重要。医師であり弁護士の竹中氏が、医療問題に関する双方向的な意見交換の場としてブログをつづります。

この記事を読んでいる人におすすめ