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目指せプロフェッサー! Vol. 5
ウリを強化する戦略で勝負に出るも、状況が激変

2008/02/16

 アメリカの大学医学部のアシスタント・プロフェッサーになるため、自分の研究業績をウリにしていこうと決めたわけですが、実はアメリカの卒後臨床医学トレーニングの過程、即ちレジデンシーやクリニカルフェローのマッチングに際しては、研究業績はほとんど考慮されません。いや、正確にいうと「期待するほど」、あるいは「レジデントの間で言われているほど」選考の判断材料になりません。なぜかというと、研究遂行能力をレジデントやクリニカルフェローのレベルで発揮しても、その診療科の利益になることはほとんどないからです。

 もちろん、多くの(特に有名大学の)外科レジデンシーでは、その期間中にリサーチ期間(1~2年)を義務付けていますし、医学部卒業のみならず理学博士号も取得したMD, PhDは、競争の激しい有名施設にマッチする可能性が高くなります。しかし、それはそのプログラムの格を高めるから、あるいは廉価で優秀な労働力になるからであって、我々外国の医学部卒業者(IMG:International Medical Graduatesと称される)がいくら素晴らしい研究業績を持っていても、多くの場合「IMGだから」という理由で、履歴書に目を通されることもなく不採用になってしまいます。

著者プロフィール

高部和明(米バージニア州立大学腫瘍外科クリニカルフェロー)●たかべ かずあき氏。1992年新潟大卒。米ソーク研究所に研究留学し学位取得。UCSD外科レジデンシープログラム修了後、06年から現職

連載の紹介

高部和明の「アメリカで外科医」
腫瘍外科クリニカルフェローとして臨床・研究に従事する高部氏が、米国の医療現場で「今」起こっていることを現地報告。米国で臨床医として生き残るために格闘する生の姿をお伝えします。

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