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目指せプロフェッサー! アメリカのキャリアシステム

2008/01/22

 日本とアメリカとでは医師の歩む道というか、システムがだいぶ異なるので、その説明を兼ねて今までの経緯を記しましょう。僕の場合外科で大学の教職を目指しているので、そのつもりで読んでくださいね。

 日本の場合、大学医学部を卒業後、国家試験に合格して医師となり、2年間の初期臨床研修をしますよね。研究をしようとすると大学の医局へ入ることになり、そこで研さんを積むことになりますが、いずれは、教授選に出るか、医局や教授の意向で関連病院へ就職するか、開業するかという選択肢を迫られることになります。

 日本では、教授以外のポストで他施設へ移る「ヨコの動き」は珍しいと思われます。日本の研究職でヨコの動きが可能なのは、大学卒業時、初期研修修了時、そして教授選くらいのものではないでしょうか。もちろん、レールから足を洗って我が道を行く選択肢はいつでもありますが、これは少数派でしょう。

 一方、アメリカは良くも悪くも自由競争の世界ですので、ヨコの動きは非常に盛んです。あえていえば、キャリアの節目節目でヨコに動きます。具体的には大学卒業時、レジデンシー修了時、フェロー修了時といった具合です。これらの節目ではほぼ全員がヨコに動き、自施設に残るのは逆に少数派です。

 例えば僕が外科レジデンシーを修了したカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部は全米でもトップ20には必ず入る大学ですが、その外科レジデンシーは毎年6人中1~2人しか母校出身者を採用しません。アメリカでは外科は大変な人気で、毎年110人いるUCSD卒といえども成績がトップ20以内でないと、UCSDはおろか、どの外科レジデンシーにも入れないほど競争は激烈です。

著者プロフィール

高部和明(米バージニア州立大学腫瘍外科クリニカルフェロー)●たかべ かずあき氏。1992年新潟大卒。米ソーク研究所に研究留学し学位取得。UCSD外科レジデンシープログラム修了後、06年から現職

連載の紹介

高部和明の「アメリカで外科医」
腫瘍外科クリニカルフェローとして臨床・研究に従事する高部氏が、米国の医療現場で「今」起こっていることを現地報告。米国で臨床医として生き残るために格闘する生の姿をお伝えします。

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