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都議会ヤジ問題にみる女性医師のキャリア

2014/07/03

 先日、東京都議会において発言中の若い女性議員に対し、男性議員が「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というセクハラやじを飛ばしたとされる報道を見ました。私がまず抱いた印象は「へぇ~。まだ“公の場”でこんなこと言う人がいるんだ」ということでした。

医師にはあり得ない“公の場”でのヤジ
 そもそも、地方議会でも国会でも、「ヤジ」というのは必要なものなのでしょうか?国会中継を見ていても、外野のヤジがうるさくて発言者が何を言っているのか聞こえないことがよくあります。そして私が見る限り、そのヤジは議会に相応しい品位あるものとは思えません。

 私たち医者は学会の場で、どんなにおかしいと思ったときでも、発表者にヤジを飛ばすことはありません。最後まで発表を聞き、質問や言いたいことがある場合は、手を上げて自分の意見を述べます。これはどの会社の会議でも同じことでしょう。「ヤジは議場の華」などとまことしやかに言われているようですが、このような恥ずかしい慣習はすぐにでも中止して欲しいものです。

 さて、先ほど私は“公の場で”こんなセクハラ発言をする人がいるんだと驚いたと述べましたが、結婚歴ナシ、子どもナシでOver40となった私は、結婚や出産についていろんな人からさまざまなことを言われるのが日常茶飯事でした。でした…と過去形なのは、最近は一般的にセクハラに対する意識が高まってきたこと、私自身がある程度の年齢に達したために、面と向かってそのようなことを言い難くなったためだと思います。

 今でも覚えているのは私が高校生の頃のこと。大学に合格して「医学部に進学する」と親戚のおじさんに報告したら「女の子がそんなに勉強してどうするの?」と言われました。私が若かった頃は、「女性に学歴はいらない」などという考えを持つ男の人がたくさんいたのです。あれから数十年たった今、振り返って私が思うことは、そんなこと全部嘘っぱち。若いうちにした勉強は、男女にかかわらず将来必ず自分のためになって返ってきますからね。若いうちはどんどん勉強しておいた方が良いです。

それ、セクハラ発言ですよ?意外と身近な男女差別
 そんな私にも大学に入ってボーイフレンドができました。その彼からはことあるごとに「女のくせに」と言われ続けました。「女のくせに口答えするな」「女なんだから家事は全部しろ」みたいなことですね。当時の私はまだまだ人生経験が足りず、ぼんやりしていたのですが、こういうことを言う男性とお付き合いするのは、将来仕事を続けていこうという女性にとっては要注意です。私はこの件の彼とは卒業と同時にお別れしたのですが、その時の開放感と言ったら(笑)!今振り返っても、この彼と結婚しなくてよかった…と思います。そして彼も私と結婚していたら、きっと幸せにはなれなかったことでしょう。

 仕事を始めてから20代後半~30代の頃、私はやたらと忙しかったのですが、その頃はまわりの友だちがどんどん結婚していった時期でした。友達や職場の人たちからは、「早く結婚したほうがいいんじゃないの」「一度くらい”結婚”を経験しておいたほうがいいよ」「子どもだけは産んでおいたら?」――。このようなことをよく言われました。そしていまだに私は、どの人がなんと言ったかシッカリ覚えています(笑)。

 シングルライフが長い人は男女問わず、このようなことは「公の場」でも「プライベートの場」でもしょっちゅう言われていると思います。いちいちそのような言葉に目くじらを立てるのも大人げないので、私も「そうですよね~」なんて適当に相槌をうっていました。このようなことを未婚の人に言うことはセクハラになるのでしょうが、実際はどこの職場でも普通の会話として行われていることでしょう。

 また、職場で私が実際に上司から言われたことがあるのは、手術に時間がかかったときに「今日、体調悪そうだけど、生理?」という言葉…。これはもう立派なセクハラ発言でしょう。その時は私もずいぶん逞しくなっていましたので「そういうご発言はセクハラになりますので、注意してください」と言い返しましたが。

著者プロフィール

さかい あい(ペンネーム)●アラフォー、独身の女性フリー眼科医。関西在住。十数年の病院勤務後、一身上の都合でフリーに転身、町の眼科クリニックに勤務。仕事は結構忙しいが、オン/オフはっきりした生活をエンジョイ中。

連載の紹介

さかいあいの「今日はどないしはったん?」
関西在住の女性フリー眼科医、さかいあい氏によるエッセイ。日々の診療や患者さんのこと、趣味や楽しみ、気になる事件など、話題てんこ盛りです。ブログタイトルは、さかい氏が診察を始めるときの決まり文句。

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