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悩み多きクリニック内の家族関係

2014/01/29

 ある朝、出勤すると一番にスタッフが話しかけてきました。「昨日、事務長が院長の携帯を折ったんです!」「なんで??ケンカでもしたの?」「2人とも朝から機嫌が悪くて悪くて…。ついにケンカになっちゃって、事務長が院長のケータイを折って投げ捨てたんです!」

 このクリニックは院長が男性で、奥さまが事務長として働いています。詳しい事情は分かりませんが(まぁ想像はつきますが…)、院長が何やら奥さまの逆鱗に触れるようなことをやらかしたのでしょう。そんな事情があっても出勤してくる奥さまはエライなぁと思います。私がその立場なら、職場でいつもと同じように院長と一緒に働くなんて、とうてい無理な気がします。

 家族が同じ職場にいるということは、院長にとっては一番信頼できるスタッフがそばにいるということになるでしょうが、少しは周囲のスタッフの目も考えてほしいものです。

 この院長夫妻(ともに40代)は、いつもケンカばかりしているわけではなく、ラブラブなこともあります。スタッフが、「ときどき事務長が院長のこと“タァくん”って呼ぶんですよ。気持ち悪いのでやめてほしいです」「院長もたまに事務長のことを“マユミちゃん”って呼ぶんですけど…これもイヤです」と言っていたことも…。うっかり気が緩んで家での呼び方が出てしまうのでしょうが、院長夫妻の子どもさんと同年代の若いスタッフにはかなり評判が悪いので、気を付けたほうがよさそうです。

院長の娘さんはスタッフにもタメ口!?
 別のクリニックでは、院長の高校生のお嬢さんがアルバイトで働いています。見た目は“今どきのギャル”風の、可愛い女の子です。私は会ったときに挨拶する程度なのですが、スタッフの間では、このお嬢さんの評判がどうも芳しくありません。「あの子、愛想が悪いんですよねぇ」というのはスタッフの弁です。

 とはいえ、高校生の女の子が、年上のお姉さんスタッフたちに囲まれながら、自分の親よりも年上の患者さまに愛想よく接するのは難しい気がします。私自身、最初の頃はポリクリで患者さまとお話しするのがかなり難しかったです。私が「そこは若いんだし、大目に見てあげないとね」と言うと、別の20代の看護師が「でも、どのスタッフにも“タメ口”なんですよ。最近の高校生ってあんな感じなんでしょうか?」と不満げです。

 年上の人たちに敬語が使えないというのは、家庭のしつけの問題なのか、自分は院長の娘であるという甘えなのかよく分かりませんが、「この検査やりかた分からへんから、教えてくれる?」「私は咳をしている患者さんの検査はしたくないねん。もうすぐ試験やのに風邪がうつったら困るわ」といった感じの話し方だそうです。上下関係の厳しい看護師さんたちから見れば、相手は10歳以上も年下の高校生なのに…と思われても仕方ないかもしれません。

 また別のスタッフも言います。「この間はお嬢さんが診察室に入っていたんですけどね。患者さんがまだいるのに、院長に『ねぇ、パパぁ~』って呼びかけるから、ドン引きでした」。…うーん、やっぱりこれはしつけの問題かもしれません。

著者プロフィール

さかい あい(ペンネーム)●アラフォー、独身の女性フリー眼科医。関西在住。十数年の病院勤務後、一身上の都合でフリーに転身、町の眼科クリニックに勤務。仕事は結構忙しいが、オン/オフはっきりした生活をエンジョイ中。

連載の紹介

さかいあいの「今日はどないしはったん?」
関西在住の女性フリー眼科医、さかいあい氏によるエッセイ。日々の診療や患者さんのこと、趣味や楽しみ、気になる事件など、話題てんこ盛りです。ブログタイトルは、さかい氏が診察を始めるときの決まり文句。

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