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ミッキー、ミニー、飛雄馬…眼科医は診た!

2011/12/27

先日、2011年に生まれた赤ちゃんの名前調査の結果が、生命保険会社より発表されました。
それによると男の子のベスト3は「大翔(ひろと、はると、やまと、たいが)」「蓮(れん)」「悠真(ゆうま)」、女の子は「結衣(ゆい)」「葵(あおい)」「結愛(ゆあ)」なのだそうです。

みなさまご存じのように、日本の戸籍に子の名前として記載できる文字は、「当用漢字」「人名漢字」「平仮名」「片仮名」「長音符(-)」「踊り字(々、ヽ、ゞなど)」です。その中の字であれば自由に使えるのですが、読み方は戸籍に記載されないため、法律上はどのように読んでもかまわないことになっています。

私の手持ちの「新明解漢和辞典(三省堂)」で調べてみると、「大」の読み方は「ダイ」「タイ」「おお(きい)」、「翔」の読み方は「ショウ」「かけ(る)」だそうです。人名では慣用的に「大」を「はる」「ひろ」と読むことが多いようですが、私個人の印象では「大翔」を「やまと」とはちょっと読みづらいような気がします。

「ミッキーちゃん、ミニーちゃんどうぞー」
私は毎日、たくさんの患者さまのお名前に接します。患者さまの年齢は新生児から100歳前後のご高齢の方まで、幅広いのが眼科の特徴です。カルテに記載された患者さまのお名前を眺めていると、時代による人名の変遷を感じずにはいられません。

大正時代、男の子の名前で多かったのが「正」や「清」、女の子は「文子」「千代」だったそうです。そして時代が昭和に移ると、男の子は「昭」、女の子は「和子」が多くなったとか。元号や皇室慶事にちなんだ名前は、いつの時代にも多いようですね。第二次世界大戦が始まると、男の子の名前に「勇」「勝」が増えたそうで、今から考えると少し複雑な思いがします。

そして現代の子どもの名前は、まさに多種多様。本当にたくさんの珍しい名前に出会います。「ミッキー」と「ミニー」兄妹や、「飛雄馬(ひゅうま)」(関西にはジャイアンツファンが少ないので、とても強く印象に残りました)、「亜斗夢(あとむ)」などアニメのキャラクターと同じもの。「苺(いちご)」「林檎(りんご)」「蜜柑(みかん)」など果物系。また漢字の意味からの読ませ方だと思うのですが、「月(るな)」「心(はぁと)」「海(まりん)」という名前も、実際に見たことがあります。

かくいう私自身の名前は、絶対に読み間違いのないもので、電話口で自分の名前を説明するときもいつもすんなりいきます。いかにも昭和的な平凡な名前ではありますが、名づけてくれた両親には非常に感謝しています。毎度毎度、名前の読み方を尋ねられたり、間違いの訂正をするのは面倒そうだなー、と私は思うからです。

私は未婚で子供もいませんので、残念ながら我が子の名前を考えるという経験をしたことはありません。しかし、産後、体調もまだまだ本調子でなく、はじめての育児でてんてこ舞いをしている新米ママや、新米パパたちが、出生後2週間までという短い時間の中で、その子が一生付き合っていく名前を決めなければならないのは、とても大変なことだろうなぁと思います。

姓と名前のバランス、字画や雰囲気、イニシャルはどうなのか(WCやNGなどは避けたほうがよいとか)、おうちによっては、おじいちゃんやおばあちゃんから注文がついたりもするようですし、考えだすときりがなさそうです。「名前」は親から子どもへの初めての「贈り物」だと言われますが、これがその所以でしょうか。

著者プロフィール

さかい あい(ペンネーム)●アラフォー、独身の女性フリー眼科医。関西在住。十数年の病院勤務後、一身上の都合でフリーに転身、町の眼科クリニックに勤務。仕事は結構忙しいが、オン/オフはっきりした生活をエンジョイ中。

連載の紹介

さかいあいの「今日はどないしはったん?」
関西在住の女性フリー眼科医、さかいあい氏によるエッセイ。日々の診療や患者さんのこと、趣味や楽しみ、気になる事件など、話題てんこ盛りです。ブログタイトルは、さかい氏が診察を始めるときの決まり文句。

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