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米国、いよいよ新型コロナ「共生」時代の幕開け

2022/01/21
緒方さやか

 米国では、新型コロナウイルスオミクロン株の爆発的な感染拡大で、各地が医療崩壊に見舞われている。その主な理由は、人手不足だ。米疾病対策センター(CDC)は2021年12月末、一般の感染者の隔離措置を発症後10日から5日に短縮する方針を示した。これは経済的観念からの措置と見る向きもあり、批判も出た。

 加えてCDCは、直近にワクチン接種(ブースター接種を含む)を受けた医療従事者の場合は、たとえハイリスクの濃厚接触があった場合でも、自宅待機や検査なしに就労し続けてもよいとするガイドラインを出した(外部リンク:CDC Releases Emergency Guidance for Healthcare Facilities to Prepare for Potential Omicron Surge | CDC)。オミクロン株の影響による極度の人手不足対策のためである。

 これに対しては当然、「患者にも看護師にも危険だ」と看護労働組合などが反対意見を表明している(外部リンク:California nurses condemn state’s decision to send asymptomatic or exposed health care workers back to work without isolation or testing | National Nurses United)。しかし、新型コロナに感染しているかもしれない医師や看護師が働いているのと、医師や看護師の絶対数が足りないのとでは、どちらがより怖いだろうか。

 ニューヨークのある病院では、2人の看護師が新型コロナ専用病棟で36人の患者のケアに当たっており、患者たちに飲み水などを配る人手も足りないという、野戦病院のような状況が報告されている(外部リンク:What the Omicron Wave Looks Like at One Brooklyn Hospital Emergency Room - The New York Times)。また、新型コロナに全く関係がない原因での入院でも、タイムリーに治療が受けられずに患者が死亡するといった、悪夢のような状況も現実のものとなっている(外部リンク:As health care breaks down in Massachusetts, patients die waiting for care | WBUR News)。

著者プロフィール

緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にある病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介

緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。

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