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患者との恋愛はなぜご法度?「同意」の意味とは

2021/10/08
緒方さやか

 何年も前にマンハッタンで働いていた頃、同僚のイケメン男性医師が独立して開業した。趣味のロックバンドも少し売れていて、週末にはコンサートを開いているという人で、噂を直接聞いたことはないが、いかにもモテそうな雰囲気の、当時30歳代前半だった。

 開業してしばらくたった時に、おしゃれなグリニッジ・ビレッジ(マンハッタンのダウンタウンにある地区)のオフィスを見せてもらった際の会話をよく覚えている。

「独立して、気を使っていることは何? バーンアウトの心配? 収入?」
「いや、それももちろんあるけど。今は、女性の患者さんのアプローチをかわすことかな」

 真顔で彼がこう言ったので、つい吹き出してしまった。彼は、女性の患者さんに対して、わざわざ「自分はゲイだ」とウソをつく。ゲイの患者の前では、(その時実際には彼女はいなくとも)架空の彼女の話をするそうだ。そこでこう聞いてみた。

「どんなにすてきな人でも、患者として会った女性とは付き合わないの?」
「当然だよ!! 俺はキャリアを台無しにする気はないよ」

著者プロフィール

緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にある病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介

緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。

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