米国における貧富の差のひどさは、悪名高い。
私自身、地域診療所で多くのホームレスの方を診察した経験もある傍ら、弁護士や医師、アップルやグーグルのエンジニアといった高収入の患者さんも、現在の職場であるスタンフォード病院系列のクリニックでたくさん診てきた。
星の数ほどある米国の医療保険だが、そのタイプによって、処方できる薬が大きく違い、できる検査にも制約がかかったりする。良い医療保険を個人で買える余裕のある人や、一流企業でトップレベルの医療保険を出してもらっている場合には、安い医療保険の人とは受けられる医療の格が違ってくる。
医療保険に入っていない人ではさらに状況は厳しく、救急車を呼ぶのを拒否したり、ゴミ箱からの残飯で生活したりする患者さんについて、今までにも書いてきた。(関連記事:「救急車を呼ばないで!」米国無保険者の悲劇、学生が運営するアメリカの「フリークリニック」)
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著者プロフィール
緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にある病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介
緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。
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