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日本語とスペイン語で違う医療言語能力テスト

2018/08/06
緒方さやか

 言葉が通じない患者さんを診察するのに、患者の家族を通訳者として利用するのは好ましくないとされている。家族が代わりに質問に答えてしまうこともあるほか、完全に公平な第三者として通訳することは、難しいからだ。

 メディカル・アシスタント(看護師の指示の下、バイタルサインを取ったり、筋肉注射をするなど、看護の補助を行う。大抵は、高校卒業後に1年ほどのコースを受講し、実習を行えばなれる)にスペイン語や北京語・広東語などのバイリンガルの人が多く雇用されるのも、時には通訳を兼ねられるのを狙ってのことである。実際、私が以前働いていたクリニックでは、メディカル・アシスタントが通訳として呼ばれると、他のメディカル・アシスタントたちが彼女または彼の分の患者さんをカバーするシステムが出来上がっていた。ただ、プロの通訳としての訓練など全く受けていない彼らに頼るとなると、当然、通訳の質はマチマチだ。片言しか喋れない人もいれば、英語自体が怪しい人だっている。

 通訳の質が劣ると、患者の満足度に影響するだけでなく、医療ミスや医療訴訟の可能性さえ起こることになるのだ1)。このため米国家庭医療学会は、医療通訳に関するガイドラインを出している2)

著者プロフィール

緒方さやか(婦人科・成人科NP)●おがた さやか氏。親の転勤で米国東海岸で育つ。2006年米国イェール大学看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。現在、カリフォルニア州にあるカイザー病院の内分泌科で糖尿病の外来診察を行っている。

連載の紹介

緒方さやかの「米国NPの診察日記」
日本でも、ナースプラクティショナー(NP)導入に関する議論が始まった。NPとは何か?その仕事内容は?米国で現役NPとして働く緒方氏が、日常診療のエピソードなどを交えながら、NPの本当の姿を紹介します。

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